国内で相次ぐ不正アクセスにJPCERT/CCが注意喚起。スマホアプリのAPIや社内向けBIツールが狙われています
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- 一次資料4件
- セキュリティ図鑑編集部
JPCERT/CCが示した手口の区分
A〜E注意喚起を公開
9日と23日に更新Metabase 63.xの修正版
CVE-2026-72898SUMMARY
要点をまとめると
- 01
JPCERT/CCは2026年10月8日、2026年9月ごろから国内組織で相次ぐ不正アクセスと個人情報の漏えいについて注意喚起を出し、10月23日まで更新しています。
- 02
公開アプリのAPIの悪用、BIツール Metabase の脆弱性(CVE-2026-72898)の悪用などが挙がっています。
- 03
Webサービスを持つ会社は、APIの権限とMetabaseの版を確かめてください。
この記事をスライドで理解する(7枚)
1 / 7JPCERT/CCは2026年10月8日、「直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起」を出しました。2026年9月ごろから、国内の組織で不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいるためです。ふだんのランサムウェアの侵入とは別に、大きな漏えいにつながる攻撃が増えている可能性があるとしています。一般の利用者が触れない社員向けの管理システムやBIツールも被害に遭っています。注意喚起は10月9日と10月23日に更新されました。
01発表されている事実
国内でどんな攻撃が起きてるの?
JPCERT/CCは手口を5つに分けています。アプリを解析した内部APIの悪用や、AIを使った攻撃道具による攻撃も確認されています。
既知の脆弱性を探し、設定ファイルやバックアップを盗む
アプリを解析し内部APIで権限変更や不正アカウント作成
Metabaseの脆弱性悪用、Webシェル入りWARファイルの設置
AIを使った侵入テストの道具。WSUSサーバーも狙われる
JPCERT/CCは、確認された手口を5つに分けて示しています。
| 区分 | 手口 |
|---|---|
| A | 既知の脆弱性を探すスキャンと、設定の不備を突いた設定ファイル・バックアップファイルの窃取 |
| B | 公開しているスマホアプリを解析してAPIの場所や鍵を探し出し、画面からは使えない内部APIで権限の変更や不正なアカウントの作成を行う。ほかで盗んだAPIキーの悪用も |
| C | BIツール Metabase の SQLインジェクション(CVE-2026-72898)の悪用 |
| D | 公開Webサーバーから届くアプリケーションサーバーに、Webシェル入りのWARファイルを置く |
| E | AIを使った侵入テストの道具(Cairn、CyberStrikeAI、ARTEX)による攻撃。インターネットに出ているWSUSサーバーも狙われる |
JPCERT/CCは10月15日のブログで、攻撃に使われた可能性のあるサーバーを調べた結果、攻撃者がAIを使って既知の脆弱性のスキャンやAPI経由の攻撃をしていたことを確認したと報告しています。
02Metabase の脆弱性(区分C)
Metabaseってのが危ないの?
BIツールMetabaseのSQLインジェクションが悪用され、被害報告が複数あります。すぐ更新できなければreset_passwordへの通信を遮断します。
CVE-2026-72898。悪用あり、被害報告が複数
x.58.24、x.59.21、x.60.17、x.61.11、x.62.9、x.63.5
/api/session/reset_password へのアクセスを遮断
| 項目 | 出典の記載 |
|---|---|
| 影響するバージョン | JPCERT/CCの記載:63.x は x.63.5 より前、62.x は x.62.9 より前、61.x は x.61.11 より前、60.x は x.60.17 より前、59.x は x.59.21 より前、58.x は x.58.24 より前。58 より前は影響なし。Metabase Cloud は対応済み |
| 直したバージョン | x.58.24、x.59.21、x.60.17、x.61.11、x.62.9、x.63.5 |
| 回避策 | すぐに更新できない場合、/api/session/reset_password へのアクセスを遮断 |
| 悪用の有無 | あり(Metabaseが確認。JPCERT/CCによると被害報告が複数) |
区分A・B・D・Eについては、特定の製品やバージョンは示されていません。
03影響を受ける会社
うちはアプリなんて作ってないけど?
社内でMetabaseなどのBIツールを使う会社も対象です。「社員しか使わない」と外に出したままの管理画面も狙われています。
スマホアプリやWebサービスを提供している会社
社内でMetabaseなどのBIツールを使っている会社
社員しか使わないツールも狙われている
スマホアプリやWebサービスを提供している会社、社内で Metabase などのBIツールを使っている会社です。「社員しか使わないから」とインターネットに出したままの管理画面やツールも狙われています。
04今すぐやること
まず何から見直せばいいの?
Metabaseの版を確かめて更新し、管理画面やBIツールなど外に出す必要のないものを閉じます。アプリに秘密の鍵を埋め込まないことも大切です。
ネットから届く状態なら侵害の調査も
回数制限、すべての入口で権限確認、トークンに期限
認証と権限の確認はサーバー側で行う
不要な管理画面は閉じ、期限切れの個人データを消す
- Metabase の版を確かめ、更新する。インターネットから届く状態だった場合は、更新だけでなく侵害の調査も行います。JPCERT/CCは、POST /api/session/reset_password が400を返し、その後に GET /api/user/current が200を返す記録が続いていれば、侵害の可能性があるとしています。
- APIの守りを見直す。JPCERT/CCは、APIの回数制限(ログイン・パスワード再設定・SMS送信・検索は特に厳しく)、内部APIを含むすべての入口での権限確認、トークンの権限を最小にし有効期限を付けることを勧めています。
- アプリに秘密の鍵を埋め込まない。アプリの中の共通の鍵は抜き出されるおそれがあります。認証と権限の確認はサーバー側で行います。
- 出さなくてよいものを出さない。管理画面、BIツール、WSUSなど、インターネットに出す必要のないものは閉じます。
- 不要な個人データを消す。保存期間を過ぎたデータを消しておくと、漏れたときの被害を小さくできます。
05同じことを防ぐには
APIの穴って、どう見つけるの?
ふつうの脆弱性スキャンでは見つかりにくいので、アプリとAPIを含めた脆弱性診断やペネトレーションテストを外部に頼む方法があります。
脆弱性診断やペネトレーションテストを専門会社に
回数制限や既知の攻撃の遮断に役立つ
APIの設計の穴は、ふつうの脆弱性スキャンでは見つかりにくいものです。アプリとAPIを含めた脆弱性診断やペネトレーションテストを、外部の専門会社に頼む方法があります。WAFは回数制限や既知の攻撃の遮断に役立ちます。図鑑の「脆弱性診断」「WAF」の分類で比べられます。
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出典(一次資料)4件被害を受けた組織や公的機関の発表だけを出典にしています(2026.10.30に確認)開く
- 1JPCERT/CC「直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起」 ↗www.jpcert.or.jp
- 2JPCERT/CC「MetabaseのSQLインジェクションの脆弱性(CVE-2026-72898)に関する注意喚起」 ↗www.jpcert.or.jp
- 3
- 4JPCERT/CC Eyes「連続不正アクセス事案の攻撃手法に関する調査」 ↗blogs.jpcert.or.jp

