能動的サイバー防御の法律が10月1日に施行。基幹インフラ258事業者にインシデント報告の義務
- 2分で読める
- 一次資料4件
- セキュリティ図鑑編集部
サイバー対処能力強化法の施行日
2026年インシデント報告の義務を負う基幹インフラ
15分野ランサムウェアなどの速報の期限
認知した日から詳報の期限
SUMMARY
要点をまとめると
- 01
サイバー対処能力強化法(重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律)が2026年10月1日に施行されました。
- 02
基幹インフラ15分野258事業者は、サイバーインシデントを国へ報告する義務を負います。
- 03
攻撃サーバーへのアクセス・無害化措置も10月以降に進めるとされています。
この記事をスライドで理解する(7枚)
1 / 7「能動的サイバー防御」を形にする法律が、2026年10月1日に施行されました。正式名は「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」(令和7年法律第42号)で、政府資料では「サイバー対処能力強化法」と呼ばれています。施行日は政令第四十六号で令和8年10月1日と定められました。
0110月1日から始まったこと
10月1日から何が始まったの?
柱は2つです。国と基幹インフラ事業者の情報共有の強化と、攻撃サーバー等を必要に応じて無害化する措置です。
事業者からの報告を受け、国が持つ脅威情報を事業者へ提供する
確認された攻撃サーバー等を、必要に応じて無害化する
攻撃サーバー等を見つけるための活用は「来年秋以降」
内閣官房国家サイバー統括室(NCO)と内閣府が2026年9月にまとめた資料では、10月1日以降の柱を2つ挙げています。
- 官民連携の強化:基幹インフラ事業者からの報告を受け、国が持つ脅威情報を事業者へ提供する
- アクセス・無害化措置:確認された攻撃サーバー等に対し、必要に応じて無害化する(整備法)
攻撃サーバー等を見つけるための通信情報の活用は、資料では「来年秋以降」とされています。警察庁の令和8年上半期の情勢報告も、10月1日施行予定のアクセス・無害化措置に向け、内閣官房・内閣府、警察、防衛省・自衛隊が体制を整えていると記しています。
02基幹インフラ事業者の義務
基幹インフラ事業者って、何をしなきゃいけないの?
15分野・258事業者に、10月1日から事故の報告が義務になりました。ランサムウェアなどは認知から3〜5日以内に速報です。
電力、ガス、水道、鉄道、金融、通信、クレジットカードなど
10月1日から義務。速報は3〜5日以内、詳報は30日以内
導入済みの製品名等を来年3月までに。新規は導入から4か月以内
10月1日から約100組織が構成員として加入予定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 15分野・258事業者(電力、ガス、水道、鉄道、金融、通信、クレジットカードなど) |
| インシデント報告 | 10月1日から義務。速報はDDoS攻撃なら認知後できるだけ速やかに、ランサムウェアなどは認知した日から3〜5日以内。詳報は30日以内 |
| 資産の届出 | 導入済みの特定重要電子計算機の製品名等を来年3月までに届出。新規導入は導入から4か月以内 |
| 協議会 | 10月1日から約100組織が構成員として加入予定。資料の図では、構成員にシステムベンダやセキュリティベンダも含まれる |
報告の様式は、2025年5月28日の関係省庁申合せで定めた様式(DDoS攻撃・ランサムウェア・その他)を使います。国は、届け出られた製品の情報と脆弱性情報を突き合わせ、該当する事業者にピンポイントで注意喚起するとしています。
03読者への影響
うちみたいな中小企業は関係ある?
新しい義務はありません。ただ、基幹インフラ事業者に機器を納めたり保守したりする会社は、製品名や経緯を聞かれることがあります。
この法律で新しい義務が課されるわけではない
製品名やバージョン、事故の経緯を聞かれ、早い回答を求められうる
個人や一般の中小企業に、この法律で新しい義務が課されるわけではありません。ただ、基幹インフラ事業者に機器やシステムを納めている会社、保守を請け負っている会社は、事業者が報告や届出をするときに、製品名やバージョン、事故の経緯を聞かれることが考えられます。報告の期限が「3〜5日」と短いため、取引先から早い回答を求められる場面も出てきます。
04備えておくこと
じゃあ、今のうちに何をしておけばいい?
納めている機器・ソフトの一覧づくり、ログを残す期間、事故時の連絡の順番を決めることです。外部に頼むなら平時に契約しておきます。
取引先ごとに製品名・バージョン・保守の状況をすぐ出せるように
数日で説明するには、ログが残っていることが前提
取引先、保険会社、調査会社へ誰が連絡するかを決める
監視や調査を頼むなら、平時に契約しておく
- 納めている機器・ソフトの一覧を作る。取引先ごとに、製品名・バージョン・保守の状況をすぐ出せるようにします。
- ログを残す期間を決める。何が起きたかを数日で説明するには、ログが残っていることが前提です。
- 事故のときの連絡の順番を決める。取引先、保険会社、調査会社への連絡を誰がするかを決めておきます。
- 監視や調査を外部に頼むなら、平時に契約しておく。事故が起きてから探すと時間がかかります。
05今後の予定
この先はどうなっていくの?
資産の届出の期限は来年3月、通信情報の活用は来年秋以降です。AIを使った対処能力の強化は令和9年度予算で要求中です。
導入済みの特定重要電子計算機の製品名等を届け出る
攻撃サーバー等を見つけるために使う
NCOが令和9年度予算で要求中
資産の届出の期限は来年3月、通信情報の活用は来年秋以降です。NCOは、AIを使った対処能力の強化を令和9年度予算で要求中としています。
NEXT ・ 次に読む
週1回・無料
「今週気をつけること」をメールで受け取るいま悪用されている脆弱性と、出回っている詐欺の手口を、毎週まとめてお届けします。いつでも解除できます。出典(一次資料)4件被害を受けた組織や公的機関の発表だけを出典にしています(2026.10.30に確認)開く
- 1内閣府 サイバー安全保障(法令・資料の一覧) ↗www.cao.go.jp
- 2内閣官房国家サイバー統括室・内閣府「サイバー対処能力強化法等の施行について」(2026年9月) ↗www.cao.go.jp
- 3
- 4施行期日を定める政令(政令第四十六号) ↗www.cao.go.jp

