Binanceハッキングで推定約63億ドルが不正出金 Binance Japanは出庫を停止、確認は公式の窓口だけで
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- 一次資料6件
- セキュリティ図鑑編集部
Binanceが発表した影響額
発表時点の推定チェーン上で凍結した額
発表時点Binance Japanの出庫再開の見込み
入庫・売買は通常どおりSUMMARY
要点をまとめると
- 01
Binanceは2026年10月30日、不正な出金で推定約63億ドルの影響が出たと発表し、損失はSAFU基金と自社の資金で補う方針を示しました。
- 02
Binance Japanは日本の利用者の資産への影響は確認されていないとし、暗号資産の出庫だけを止めています。
- 03
補償や返金をうたう連絡には反応せず、公式アプリ・公式サイトだけで確かめてください。
この記事をスライドで理解する(7枚)
1 / 7暗号資産取引所のBinance(バイナンス)は2026年10月30日、お知らせ「Security Incident Update」を出し、不正な出金による影響が推定で約63億ドルにのぼると発表しました。数字は発表時点の推定で、調査は続いています。担当者のノートPCが侵害された可能性があり、外部から入り込まれて資金を動かされたハッキングの事案です。日本でサービスを提供するBinance Japanは、日本の利用者から預かる資産への影響は確認されていないとし、予防のため暗号資産の出庫を止めています。
01Binanceが発表していること
何が起きたの?
Binanceで不正な出金があり、影響は推定約63億ドルです。初期の調査では、開発と運用の担当者のPCが侵害された可能性があるとしています。
不正な出金による影響額。発表時点の推定
協力先とチェーン上で凍結した額(発表時点)
DevOpsエンジニアのPCからサービスコンテナへ。秘密鍵の漏えいの証拠はなし
SAFU基金と会社の資金で損失を補う方針
| 項目 | 発表の内容 |
|---|---|
| 原因(初期の調査) | DevOpsエンジニア(開発と運用の担当者)のノートPCが侵害された可能性。攻撃者はそこからサービスコンテナに入り、不正な出金の取引を送った |
| 秘密鍵 | ウォレットの秘密鍵が漏れた証拠は見つかっていない |
| 影響額 | 推定で約63億ドル(発表時点) |
| 凍結 | ブロックチェーンの協力先とともに、約30億ドル分をチェーン上で凍結(発表時点) |
| 補償 | 損失はすべてSAFU基金と会社の資金で補う。利用者の資金は安全としている |
| とった措置 | 入出金の一時停止、影響を受けたアドレスの権限の取り消し、捜査機関やブロックチェーン分析の協力先と資金を追跡・回収 |
この発表では、入出金を再開する時期は示されていません。Binanceは、最新の情報はBinanceの公式の窓口だけで確かめるよう呼びかけています。
攻撃者の名前をBinanceは挙げておらず、捜査機関と協力して特定を進めているとしています。ブロックチェーン分析会社TRM Labs社の分析では、流出の大半は10月29日20時05分(UTC、日本時間30日5時05分)からの約20分間に10のブロックチェーンで起きており、同社は北朝鮮のグループ「TraderTraitor」によるものと高い確度で判断しています。10月30日時点で、この件の攻撃者について公的機関の発表は確認できていません。
02日本の利用者への影響
日本のBinance Japanを使っているけど大丈夫?
Binance Japanは、日本の利用者の資産への影響は確認されていないとしています。暗号資産の出庫だけ止まっていて、売買や日本円の入出金はできます。
暗号資産の出庫(48時間以内の再開を見込む)
暗号資産の入庫・売買、日本円の入出金
預かる暗号資産はコールドウォレットで管理し、対象のホットウォレットとは別(Binance Japan)
Binance Japanは10月30日に2回お知らせを出しました。日本時間30日未明にBinanceグローバルでセキュリティ事案が確認されたとしています。同日夕方のお知らせによるサービスの状況です。
| サービス | 状況 |
|---|---|
| 暗号資産の出庫 | 一時停止中。48時間以内の再開を見込む(確定したら改めて知らせる) |
| 暗号資産の入庫 | 通常どおり |
| 暗号資産の売買(販売所・取引所) | 通常どおり |
| 日本円の入出金 | 通常どおり |
同社によると、預かっている暗号資産は日本の法令に従って同社のコールドウォレットで管理しており、今回の対象となったBinanceグローバルのホットウォレットとは別です。万一、日本の利用者に被害が確認された場合は、同社が被害額を全額補償する予定としています。なお、30日昼の最初のお知らせでは入庫も止めていると書いており、夕方のお知らせで入庫は通常どおりに改めています。
03今すぐやること(取引所を使っている人)
「補償します」というメールが来たら?
リンクは開かず、公式アプリか公式サイトのお知らせで確かめてください。Binance Japanは、パスワードや認証コードを電話やメッセージで求めることはないとしています。
リンクから開かず、ブックマークか公式アプリで
パスワードや認証コードを求める連絡は偽物
パスキー、アンチフィッシングコード、出金先ホワイトリスト
取引所のパスワードはほかと別に
- 状況は公式アプリ・公式サイトのお知らせで見る。メール、SMS、SNSのリンクからは開かず、ブックマークか公式アプリから確かめます。
- 補償や返金をうたう連絡に反応しない。Binance Japanは、不審なURLや連絡に反応しないよう呼びかけています。また10月19日のお知らせでは、電話やメッセージでパスワードや認証コードの入力を求めることは一切ないとしています。外部のサイトでログインする、暗号資産を送る、といった補償の手続きは、Binanceの発表には書かれていません。
- アカウントの設定を見直す。Binance Japanは10月19日のお知らせで、次の設定を確かめるよう求めています。ほかの取引所を使っている人も、同じ種類の設定があるか確かめてください。
- パスワードを使い回さない。取引所のパスワードは、ほかのサービスと別のものにします。パスワード管理ソフトを使うと続けやすくなります。
04会社として学べること(業務用PCの管理)
うちの会社は暗号資産を扱っていないけど関係ある?
あります。業務用PCが乗っ取られると、その人の権限でシステムに入られます。私用PCを使わない、権限を絞る、ログを見張る、が基本です。
重要な業務システムには貸与PCだけで
SNSで頼まれたコードは中身を見て、仮想マシンで
期間を限って与え、終わったら外す
時間外・貸与PC以外・VPN経由のアクセス
Binanceは、入口になった可能性があるのは1台の業務用PCだとしています。詳しい原因はまだ調査中です。業務用PCが乗っ取られ、そこから暗号資産が盗まれる流れについては、警察庁・NISC・金融庁が2024年12月、DMMビットコインの事案(約482億円相当)を受けて手口と対策を公表しています。今回が同じ手口だという発表はありませんが、暗号資産を扱わない会社にも使える内容です。
- 事前に許可された場合を除き、私用PCで重要な業務システムにアクセスしない
- SNSで仕事やプログラムの相談を持ちかけられ、コードの確認や実行を急がされたら疑う。内容を確かめずにコードを実行せず、実行するなら業務用PCを使わないか仮想マシンで
- 権限は必要な範囲だけ、期間を限って与え、終わったら速やかに縮小・削除する
- 多要素認証を入れる
- 業務時間外、貸与PC以外、普段と違う地域やVPNサービスからのアクセスをログで見張る。EDRやPCのログと食い違いがないかも見る
- ログを1か所に集めて保存・検索できるようにする
- 感染が疑われたら、電源は入れたままネットワークから切り離し、記録を保全する
見張りを社内だけで続けるのが難しい場合は、EDRや監視(SOC・MDR)のサービスを使う方法があります。図鑑の「EDR・法人向けウイルス対策」「SOC・MDR・SIEM」の分類で比べられます。
05今後の発表
Binanceは、調査が終わって事実を確かめたら技術的な事後報告を出し、対応が終わったら準備金の証明(Proof of Reserves)を更新するとしています。影響額や凍結額は今後変わることがあります。Binance Japanは、出庫の再開が確定したら改めて知らせるとしています。
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出典(一次資料)6件被害を受けた組織や公的機関の発表だけを出典にしています(2026.10.31に確認)開く
- 1Binance「Security Incident Update」(2026年10月30日) ↗www.binance.com
- 2Binance Japan「Binanceグローバルでのセキュリティ事案に関するお知らせ」(2026年10月30日) ↗www.binance.com
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- 4Binance Japan「お客様のセキュリティ設定確認のお願い」(2026年10月19日) ↗www.binance.com
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