サイト改ざんが前の3か月の3倍超に。JPCERT/CCの7〜9月の報告は603件、隠しリンクやカード情報狙いの埋め込みも
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- セキュリティ図鑑編集部
7〜9月のWebサイト改ざん
前四半期は181件前の四半期からの増え方
3倍超9月の改ざん件数
1年間で最多埋め込まれた隠しリンクのHTML
カジノサイトなどSUMMARY
要点をまとめると
- 01
JPCERT/CCが2026年10月22日に公開した四半期レポートで、7〜9月に報告されたWebサイト改ざんは603件と、前の四半期の181件から233%増えました。
- 02
カジノサイトへの隠しリンクや、ECサイトのカード情報を狙うJavaScriptの埋め込みが挙がっています。
- 03
自社サイトを持つ会社は、CMSの更新と管理画面の守りを確かめてください。
この記事をスライドで理解する(7枚)
1 / 7JPCERT/CCは2026年10月22日、「JPCERT/CC 四半期レポート[2026年7月1日~2026年9月30日]」を公開しました。この3か月に報告が寄せられたWebサイト改ざんは603件で、前の四半期(4月〜6月)の181件に比べて233%増え、3倍を超えました。レポートは、国内の正規のWebサイトに海外のオンラインカジノサイトなどへのリンクが大量に埋め込まれた事例と、ECサイトにカード情報などを盗む目的とみられるJavaScriptが埋め込まれた事例を挙げています。
01レポートに書かれている数字
改ざんってそんなに増えてるの?
7〜9月の報告は603件で、4〜6月の181件の3倍を超えました。7月116件、8月194件、9月293件と、月ごとに増えています。
前の四半期の合計
Webサイト改ざん
Webサイト改ざん
1年間で最も多い
Webサイト改ざんは、7月116件、8月194件、9月293件と、月ごとに増えました。レポートの月別の推移の図では、2026年4月46件、5月55件、6月80件で、2025年10月からの1年間で9月が最も多くなっています。
| 区分 | 7月 | 8月 | 9月 | 合計 | 前四半期 |
|---|---|---|---|---|---|
| フィッシングサイト | 2,759 | 2,404 | 2,020 | 7,183 | 8,313 |
| Webサイト改ざん | 116 | 194 | 293 | 603 | 181 |
| マルウェアサイト | 5 | 7 | 19 | 31 | 21 |
| スキャン | 98 | 81 | 85 | 264 | 190 |
| DoS/DDoS | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| ランサムウェア | 2 | 2 | 2 | 6 | 8 |
| 制御システム関連 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 標的型攻撃 | 1 | 1 | 2 | 4 | 8 |
| その他 | 201 | 175 | 287 | 663 | 582 |
出典:同レポートの表1.2「インシデント件数のカテゴリー別内訳」。報告件数全体は12,932件(前四半期14,056件)、インシデント件数は8,755件(同9,305件)、JPCERT/CCがサイトの管理者などに対応を依頼した調整件数は4,048件(同3,398件)でした。フィッシングサイトが82.0%を占めています。マルウェアサイトは前四半期比48%増、スキャンは39%増、その他は14%増です。
02どんな改ざんだったか
どんなふうに書き換えられるの?
見えないようにカジノサイトなどへのリンクを5,000行以上埋め込む手口と、ECサイトの購入画面でカード情報を狙うJavaScriptを埋め込む手口が紹介されています。
見えない状態で5,000行以上。不正なSEO行為とみられる
EC-CUBEのサイト。購入画面を判定し、カード情報などを狙った可能性
レポートは、次の2つの事例を紹介しています。
- 国内の複数の正規のWebサイトが改ざんされ、海外のオンラインカジノサイトなどへのリンクを含むHTMLが、見えない状態で5,000行以上埋め込まれていました。攻撃者が売り込みたいページを、正規のサイトから参照されているように見せかけ、検索エンジンでの評価を高めようとする不正なSEO行為と考えられる、としています。
- EC-CUBEで構築された国内の複数のECサイトが改ざんされ、C2サーバー(攻撃者が指示を出すサーバー)から取得したコードを実行するJavaScriptが埋め込まれていました。通信にはWebRTCまたはWebSocketが使われていました。訪問者が開いているページが購入画面かどうかを判定する処理も確認され、クレジットカード情報などを盗む目的だった可能性がある、としています。
どちらも、見た目は変わらないことがあります。前者は訪問者に見えないリンクで、後者は購入画面でだけ動く仕組みです。サイトの持ち主が自分で開いても、気づきにくい改ざんです。
03自社サイトを持つ会社への影響
見た目が変わらないなら放っておいても平気?
検索での評価が下がったり、お客さまのカード情報が盗まれたりするおそれがあります。見た目が変わらないぶん、気づくのが遅れがちです。
関係のない文言が出たり、評価が下がったりするおそれ
カード情報を盗まれれば通販の停止や調査の費用に
Webサービスで使われる製品の脆弱性など12件
会社のホームページやネットショップを持つ中小企業は、どちらの事例とも無関係ではありません。カジノなどへのリンクを埋め込まれると、検索結果に関係のない文言が出たり、検索エンジンの評価が下がったりするおそれがあります。ECサイトのカード情報を盗まれれば、お客さまに実害が出て、通販の停止や調査の費用につながります。レポートは改ざんの侵入経路までは書いていませんが、同じ四半期に、JPCERT/CCはWebサービスで使われる製品の注意喚起も出しています(Ruby on RailsのActive Storage〈CVE-2026-66066〉、BIツールMetabase〈CVE-2026-72898〉、NetScaler ADC・NetScaler Gateway〈CVE-2026-8452、CVE-2026-88771など〉、F5 BIG-IP Access Policy Manager〈CVE-2026-94127〉など、12件の公開・更新)。
04今すぐやること
まず何をすればいい?
ページのソースに見覚えのないリンクがないか確かめ、CMSとプラグインを最新にし、管理画面に多要素認証を入れてください。
見覚えのないリンクや文言を探す
使わないプラグインやテーマは消す
強いパスワードと多要素認証、入れる場所を絞る
知らないJavaScriptがないか保守の会社に頼む
サーバー会社・制作会社・決済代行会社へ連絡
- 自社サイトのページのソースを開き、見覚えのないリンクや、カジノなどの文言が隠れていないか確かめる。検索エンジンで自社のドメインを指定して検索し、関係のないページや文言が出ないかも見る
- WordPressやEC-CUBEなどのCMSとプラグインを最新にする。使っていないプラグインやテーマは消す
- 管理画面のパスワードを長く使い回しのないものにし、多要素認証を使う。できれば管理画面に入れる場所(IPアドレス)を絞る
- ECサイトは、購入画面に知らないJavaScriptが読み込まれていないか、制作会社や保守の会社に点検を頼む
- 改ざんを見つけたら、サイトを一時的に止め、サーバー会社や制作会社に連絡する。ECサイトでカード情報が盗まれたおそれがあれば、決済代行会社にもすぐ知らせる
05同じことを防ぐには
詳しい人がいない会社は?
脆弱性診断とWAFを外部のサービスに任せる方法があります。保守の契約に更新と点検を含めておくのも現実的です。
弱点を先に見つける
既知の攻撃をサイトの手前で止める
書き換えに早く気づき、戻せるようにする
改ざんは、更新されていないソフトの弱点や、漏れた管理画面のパスワードを入口にされることがあります。定期的な脆弱性診断で弱点を先に見つけること、WAFで既知の攻撃をサイトの手前で止めること、ファイルの変更を検知する仕組みとバックアップを用意しておくことが、被害を小さくします。自社に詳しい担当者がいなければ、保守の契約に更新と点検を含めておくのが現実的です。
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- 2JPCERT/CC「四半期レポート」(一覧、最終更新 2026-10-22) ↗www.jpcert.or.jp

