警察庁の令和8年上半期統計:ランサムウェア被害報告は123件で半期として最多。中小企業が79件
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- セキュリティ図鑑編集部
ランサムウェアの被害報告
半期として最多うち中小企業
ネットバンキングの不正送金の被害額
前年同期より51%減侵入経路で最多のVPN機器
回答36件中SUMMARY
要点をまとめると
- 01
警察庁は2026年9月10日、令和8年上半期のサイバー情勢を公表しました。
- 02
ランサムウェアの被害報告は123件で、統計を取り始めた令和2年下半期以降で半期最多です。
- 03
うち79件が中小企業でした。
この記事をスライドで理解する(7枚)
1 / 7警察庁は2026年9月10日、「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」を公表しました。2026年1〜6月の被害の数字がまとまっています。ここでは、中小企業と個人に関係の深い数字を、警察庁が公開している統計データ(Excel)から写して紹介します。
01ランサムウェアの被害
ランサムウェアの被害って増えてるの?
令和8年上半期は123件で、半期では統計開始以降最多です。うち中小企業が79件で、侵入経路はVPN機器が18件と最多でした。
令和2年下半期以降で半期最多。前年同期は116件
大企業31件・団体等13件。製造業が37件で最多
侵入経路(回答36件)。リモートデスクトップは9件
バックアップの暗号化・消去が14件、運用の不備が8件
企業・団体からのランサムウェア被害の報告は123件でした。半期の件数としては、統計を取り始めた令和2年下半期以降で最も多い数です。前年同期(令和7年上半期)は116件、直前の令和7年下半期は110件でした。データを暗号化せずに盗んで脅す「ノーウェアランサム」は別に9件ありました。
| 項目 | 令和8年上半期 |
|---|---|
| 被害報告(全体) | 123件 |
| 規模別 | 中小企業79件・大企業31件・団体等13件 |
| 業種別(上位) | 製造業37件・卸売小売業15件・情報通信業9件・不動産業物品賃貸業9件・医療福祉9件 |
| 侵入経路(回答36件) | VPN機器18件・リモートデスクトップ9件・その他9件 |
| 手口(判明66件) | 二重恐喝型61件・従来型5件 |
被害組織へのアンケートでは、調査・復旧費用に1,000万円以上かかった組織が回答35件のうち21件でした。復旧期間の回答48件のうち、13件は回答時点でまだ復旧中でした。バックアップは回答50件のうち44件が取っていましたが、バックアップから戻せなかった理由として「バックアップの暗号化・消去」が14件、「運用の不備」が8件挙がっています。未適用のセキュリティパッチがあった組織は、回答29件のうち17件でした。
02フィッシングとネットバンキング
ネットバンキングの被害はどうなの?
不正送金は253件、約20億7,000万円で前年同期より51%減りました。ただ大半は法人の被害で、約17億4,000万円です。
フィッシング対策協議会への報告。令和7年上半期は約119.6万件
不正送金253件。前年同期より51%減。法人が約17億4,000万円
企業に電話し遠隔操作ソフトを入れさせ送金。令和8年5月から急増
1日・1IPあたりの不審なアクセス。前年比50.7%増
- フィッシング対策協議会への報告は約73万件でした(同協議会の集計。令和7年上半期は約119.6万件)。
- ネットバンキングの不正送金は253件、被害額は約20億7,000万円で、前年同期より51%減りました。内訳は法人が約17億4,000万円、個人が約3億2,000万円で、法人の被害が大半です。
- 令和8年5月からは、企業に電話をかけて遠隔操作ソフトを入れさせ、社内のパソコンから送金させる新しい手口の被害が急増したと書かれています。
このほか、警察庁のセンサーが検知した脆弱性探索などの不審なアクセスは、1日・1IPアドレスあたり1万3,687件で、前年比50.7%増でした。
03読者への影響
小さい会社は狙われないんじゃないの?
被害の6割強が中小企業です。「小さいから狙われない」という前提は、この統計では成り立ちません。
規模の小さい会社でも同じ狙われ方をしている
VPN機器とリモートデスクトップが多い
一緒に暗号化・消去されれば戻せない
被害の6割強が中小企業で、入口はVPN機器とリモートデスクトップが多いという傾向は、規模の小さい会社でも同じ狙われ方をしていることを示しています。「うちは小さいから狙われない」という前提は、この統計では成り立ちません。また、バックアップを取っていても一緒に暗号化・消去されれば戻せません。
04今すぐやること
まず何から手をつければいい?
VPN機器のバージョン確認と多要素認証、リモートデスクトップを直接出さないこと、バックアップの1つを切り離すことです。
最新版か見て、不要なアカウントを消し、多要素認証を有効に
VPNやゼロトラスト型の接続サービスの内側に置く
1つはネットワークから切り離し、年1回は戻せるか試す
銀行やベンダーを名乗る電話でも。振込の上限と承認者も見直す
- VPN機器を確認する。機種と現在のバージョンを調べ、メーカーの最新版になっているか見てください。使っていないVPNのアカウントは消し、多要素認証を有効にします。
- リモートデスクトップをインターネットに直接出さない。外から使う必要があるなら、VPNやゼロトラスト型の接続サービスの内側に置きます。
- バックアップを1つはネットワークから切り離す。実際に戻せるか、年1回は試してください。
- 銀行やベンダーを名乗る電話で、遠隔操作ソフトを入れない。振込の上限額や、承認者を2人にする設定も見直してください。
- 事故のときの連絡先を決めておく。保険会社、調査会社、警察の相談窓口をまとめておくと、初動が早くなります。
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- 1警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月) ↗www.npa.go.jp
- 2警察庁 同 統計データ(Excel) ↗www.npa.go.jp
- 3警察庁「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等」掲載ページ ↗www.npa.go.jp

