防犯カメラのハッキングを防ぐ|見守り・ペットカメラののぞき見を確かめる方法と、されたかもしれないときの手順・選び方
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- 一次資料20件
- セキュリティ図鑑編集部
総務省が確かめるよう求める設定
パスワード・ファームウェアとサポート・使わない機能(2025年12月23日)推測しやすいID・パスワードの機器
NOTICEの観測、2026年8月時点不正アクセスが疑われ止めた河川カメラ
国土交通省、2023年。機器交換とパスワード再設定i-PROのファームウェア更新の期間
ハードウェア機器、生産終了からSUMMARY
要点をまとめると
- 01
防犯カメラのハッキングによるのぞき見は、初期パスワードのまま、古いファームウェア、インターネットから直接見える設定から起きます。
- 02
総務省は、パスワード認証と長さ、ファームウェアとサポート、使わない機能の3点を確かめるよう求めています。
- 03
見られたかもしれないときは、止めて初期化し、最新にしてパスワードを変えます(2026年10月31日時点)。
そもそも初期パスワードとは?
買ったときから機器に設定されているパスワードです。同じ機種で共通だと、マニュアルを見た人なら誰でも入れてしまいます。
たとえるなら同じ型の家すべてに、同じ合鍵が付いて売られているようなもの。鍵を替えないと、誰でも開けられる。
- 1共通の初期値マニュアルやネットに載っている
- 2外から試されるよく使われる値から順に入れられる
- 3すぐに変える10桁以上で推測されにくいものに
IPA・NOTICE(総務省・NICTほか)の説明をもとに、やさしく言い換えています。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6留守のあいだの玄関、寝ている赤ちゃん、ひとりで留守番するペット。スマホからいつでも様子を見られるカメラは便利です。その一方で、「うちのカメラの映像を、知らない誰かが見ていたら」と不安になった人もいるはずです。実際に、インターネットにつながったカメラの映像を集めて公開するウェブサイトが複数確認されている、と総務省は2025年12月に注意を呼びかけました。防犯カメラ・見守りカメラ・ペットカメラが外から見られていないかの確かめ方と、見られたかもしれないときの手順、選ぶときに見る点をまとめました。
中身は、総務省、NOTICE(総務省・NICT〈情報通信研究機構〉・プロバイダなどが連携するIoT機器の注意喚起の取り組み)、IPA(情報処理推進機構)、JPCERT/CC(日本の事故対応の調整機関)、国土交通省、警察庁、カメラのメーカー(i-PRO・TP-Link・パナソニック)の公式ページを2026年10月31日時点で確かめたものです。スマホやパソコン本体がのぞかれていないかの確かめ方はハッキングされたか確認する方法にまとめているので、この記事ではカメラだけを扱います。
01この記事でわかること(3行まとめ)
初期パスワード・古いファームウェア・外部公開
パスワード・更新とサポート・使わない機能
初期化→最新→パスワード変更
- のぞき見の多くは「設定の甘さ」から起きます。IPAは、初期パスワードのまま使うと、製品のマニュアルを見られる人なら誰でもカメラを操作できてしまうと注意しています。
- 総務省が確かめるよう求めるのは3つです。パスワード認証を設定し十分に長くしているか、ファームウェアが最新でサポートが続いているか、使わない機能が有効になっていないか。業者に任せているなら業者に問い合わせます。
- 見られたかもしれないときは、止めて、初期化して、最新にします。NOTICEは、不審な設定があれば直ちに初期化し、ファームウェアを最新にして、管理用パスワードを変えるよう案内しています。サポートが終わった機種は買い替えを考えます。
02防犯カメラがハッキングされると何が起きる?
カメラをのぞかれるだけなら、映っているのは部屋だし大丈夫じゃない?
映像からの情報の漏えいやプライバシーの侵害につながります。総務省は、カメラが感染して攻撃に加担する危険もあるとしています。
総務省は2025年12月23日の注意喚起で、インターネットにつながったカメラ(ネットワークカメラ)は、正しく設定・運用しないと、管理者の意図しない形で映像が第三者に公開されてしまうリスクがあるとしました。管理の甘いカメラを放っておくと、映像からの情報の漏えい、特定の人が映り込むことによるプライバシーの侵害につながるおそれがあります。さらに、弱い設定を悪用されてカメラが悪いプログラムに感染し、サイバー攻撃に加担してしまう危険もある、と総務省は書いています。
| 起きること | 公式の資料の説明 |
|---|---|
| 映像をのぞかれる・公開される | 不正にログインされると、カメラの映像や保存されたデータを勝手に見られる(NOTICE)。映像を集めて公開するサイトが複数ある(総務省) |
| 勝手に操作される | 初期パスワードのままだと、マニュアルを見られる人なら誰でもカメラを不正に操作できる(IPA) |
| 攻撃の踏み台にされる | マルウェアに感染し、他人への攻撃に使われる。JPCERT/CCは、監視カメラやDVR(録画機)などを狙うマルウェア「Mirai」の感染を確認し、こうしたマルウェアはルーターやカメラなどで動くように作られているとしている |
| ネットが使えなくなる | NOTICEによると、保育所の見守りカメラなどが感染した例では、保育所でインターネットが使えない状態になった |
NOTICEの事例のページは、NICTが学校の防犯システムや保育所の見守りカメラで、マルウェア感染が疑われる通信を見つけた例を紹介しています。どちらも、第三者から映像を見られる状態になっていました。これを受けて文部科学省とこども家庭庁は、インターネットからのアクセスが想定した範囲に制限されているか、ファームウェアが最新になっているかなどを確かめるよう注意喚起した、とNOTICEは書いています。
公共のカメラでも起きています。国土交通省は2023年、配信を止めていた簡易型の河川監視カメラ337台を回収して通信記録などを調べたところ、不正アクセスの疑いがある痕跡が見つかったと発表しました。対策として、機器の交換と、通信ポートの閉塞・パスワードの再設定を行っています。家庭用でも業務用でも、守り方の基本は同じです。
03狙われやすいカメラの3つの共通点
マニュアルを見れば誰でも操作できる
見つかった入口がふさがらない
検索サイトで探し出せる
のぞき見の被害は、特別な攻撃より、よくある設定の甘さから起きます。IPAのパンフレット「そのカメラ、正しく設定できていますか?」と、総務省・NOTICE・JPCERT/CCの資料に共通する3つの点です。
1. 初期パスワードのまま、またはパスワードがない
IPAは、カメラの操作に使うパスワードが初期値のままだと、製品マニュアルの情報を見られるすべての人がカメラを不正に操作できると書いています。JPCERT/CCも、出荷時の設定では認証の機能が切られていたり、製品共通のIDとパスワードが入っていたりする場合があり、初期設定のIDやパスワードがインターネット上で公開されている製品もあると注意しています。総務省の確認項目の1つ目が「パスワード認証を設定しているか、十分に長いパスワードにしているか」なのはこのためです。NOTICEの2026年8月時点の観測では、推測しやすいID・パスワードのまま外からつながるIoT機器が月13,708件ありました。
2. ファームウェアが古い・サポートが終わっている
ファームウェアは、カメラの中で動いている制御用のプログラムです。IPAは、カメラには利用者が止められない「バックドア」(隠れた入口)がある場合があり、見つかると、それをふさいだ新しいファームウェアが製品のサイトに公開されるとしています。古いままでは、その入口が開いたままです。サポートが終わった機種には新しいファームウェアが出ないため、穴が見つかっても直せません(NOTICE)。総務省も、サポートが終わっていれば新しいカメラへの買い替えを検討するよう書いています。
3. インターネットから直接見える状態になっている
IPAは、インターネットからアクセスできるカメラは検索サイトを使って探し出すことができ、その結果から脆弱なカメラを自動で洗い出す道具も確認されていると注意しています。そのうえで、必要でない限りカメラをインターネットにつながないよう勧めています。また、普段使わないサーバー機能を動かしたままだと、それを悪用されてマルウェアに感染することがあるとして、不要な機能を止めるよう書いています。総務省の3つ目の確認項目「使わない機能や設定が有効になっていないか」と同じ考え方です。
04アプリで見るカメラと、ルーターのポートを開けるカメラ
家庭向けのカメラの多くは、メーカーのスマホアプリにログインして映像を見ます。この型では、守るべき中心はアプリのアカウントです。アカウントのパスワードが漏れたり使い回したりしていると、映像を見られるおそれがあります。メーカーが2段階認証を用意していれば、必ず有効にします。たとえばTP-LinkのTapoアプリは、「私」タブの左上のアカウントアイコンから「ログインセキュリティ」→「2段階認証」で有効にでき、有効にすると新しい端末からのログインに認証コードが要るようになります(TP-Link公式FAQ。画面の名前はアプリの更新で変わることがあります)。乗っ取り全般の守り方は乗っ取り・不正ログインにまとめています。
もう1つは、ルーターの「ポート」を開けて、外から家の中のカメラに直接つなぐ型です。業務用のカメラや、録画機(レコーダー)を業者が設置した場合に見られます。NOTICEは、ルーターのポートフォワーディング機能を設定すると、外出先のスマホから家の中のカメラの映像を見られるようになる一方、攻撃者のアクセスも可能になるため、フィルタリングなどでの遮断が必要だと説明しています。JPCERT/CCは、UPnP(機器が自動でルーターの設定を変える仕組み)などで、ルーターの内側の機器でもインターネットから届く場合があると注意しています。この型では、カメラ本体の管理用パスワードとファームウェアに加えて、ルーターの設定も確かめます。ルーター側の確かめ方はルーターの乗っ取りを確かめる方法を見てください。
どちらの型か分からないときは、カメラのマニュアルで「遠隔視聴」「外出先から見る」の設定方法を見ると見当がつきます。アカウントにログインするだけで見られるならアプリ型、ルーターでポートを開ける手順が書かれていればポート開放型です。
05自分のカメラは大丈夫?確認すること
初期値のままなら今すぐ変える
サポートが続いているかも見る
外から設定を変える機能など
共有相手とログイン端末も見る
- パスワード認証が設定されているか、十分に長いか(総務省)。初期パスワードのままなら、すぐに変えます。
- ファームウェアが最新か、製品のサポートが続いているか(総務省)。メーカーのサイトで型番を調べます。
- 使わない機能や設定が有効になっていないか(総務省)。外から設定を変えられる機能、使っていない配信の機能などです。
- ルーターで、カメラ用にポートを開けていないか、UPnPが有効になっていないか(NOTICE・JPCERT/CC)。
- アプリのアカウントに2段階認証をかけているか、共有している相手やログインしている端末に覚えのないものがないか。
- 業者に設置・管理を任せているなら、業者に上の点を問い合わせたか(総務省)。
総務省が2025年12月23日に挙げた確認項目は、上の3つです。NOTICEも、設置のときに「推測されにくい複雑なパスワードに変える」「ファームウェアが最新版でなければ更新する」「使わない機能や設定は無効にする」、使っている間も定期的に「ファームウェアを更新する」「サポートが終わった機種は買い替えを考える」を確かめるよう勧めています。
パスワードの目安は、NOTICEによると10桁以上で、英大文字・小文字・数字・記号を含み、名前や誕生日を避けた推測されにくいものです。カメラにパスワードを複数設定する場合は、同じものにせず、すべて複雑なものにします。ただし、1台ずつ違う複雑な初期パスワードが最初から設定されている製品は、変更しなくても安全に使えるとNOTICEは書いています。
06のぞかれているかもしれないサイン
のぞかれているか、見て分かる方法はある?
確実に見分ける方法は示されていません。まず設定を確かめ、アプリのログイン履歴や共有相手に覚えのないものがないかを見ます。
先に大事なことを書くと、公式の資料は、カメラがのぞかれているかを確実に見分ける方法を示していません。見ただけで分かるとは限らないので、サインを待つより、前の節の設定を確かめることが先です。そのうえで、次のようなことがあれば、ハッキングを疑って次の節の手順に進みます。
- アプリのログイン履歴や信頼済みの端末に、覚えのないものがある:TapoアプリにはログインアクティビティやTP-Linkアカウントの「信頼済みデバイス」の一覧があります。ただしTP-Linkは、表示される場所はプロバイダのIPアドレスから推定したもので、実際の場所と違うことがあり、携帯回線では遠くの場所と表示されることもあると説明しています。場所だけで判断せず、端末の名前や日時も見ます。
- 共有している相手に、知らない人がいる:家族と共有する機能があるカメラでは、共有の一覧を見ます。
- 設定が、自分で変えていないものに変わっている:パスワードが通らない、知らない機能がオンになっているなどです。NOTICEは、不審な設定があれば第三者が侵入している可能性があるとしています。
- カメラの動作が不安定、家のネットが遅い:NOTICEは、悪用された機器は資源を消耗して動作が不安定になり、インターネットにつながらなくなることがあるとしています。ただし、遅さの原因はほかにも多くあります。
- プロバイダからNOTICEの注意喚起が届いた:カメラやルーターが悪用される危険がとても高い状態だとNOTICEは説明しています(あとの節)。
07ハッキングされたかもしれないときにやること
レンズを外し、ネットから切る
ログイン履歴・共有・設定
ファームウェアを更新する
カメラとアプリの両方、2段階認証
- 見られて困る向きを外し、ネットから切る:カメラのレンズを生活の場から外し、必要ならカメラの電源を切るか、ネットワークから外します。国土交通省も、不正アクセスが疑われた河川カメラの配信を止めてから調べています。
- 記録を残す:アプリのログイン履歴、共有の一覧、覚えのない設定を、スクリーンショットやメモで残します。気づいた日時も書いておきます。
- カメラを初期化する:NOTICEは、不審な設定があった場合は直ちに初期化を行うよう案内しています。
- ファームウェアを最新にする:初期化のあと、メーカーのサイトやアプリで最新版にします(NOTICE)。更新中は電源を切らないでください。
- パスワードをすべて変える:カメラの管理用パスワードと、アプリのアカウントのパスワードの両方です。アカウントには2段階認証をかけ、信頼済みの端末の一覧から知らない端末を消します(TP-LinkのFAQでは、消した端末は強制的にログアウトされるとしています)。
- ルーターの設定を見直す:カメラ用に開けたポートやUPnPを見直し、ルーター自体も確かめます(ルーターの乗っ取りを確かめる方法)。
- サポートが終わった機種は交換する:総務省はサポートが終わっていれば買い替えの検討を、国土交通省は河川カメラの対策で機器の交換を行っています。
- スマホも確かめる:カメラのアプリを入れたスマホに不審な点がないかは、ハッキングされたか確認する方法で確かめます。
映像が外に出てしまった、のぞき見に関わる脅しや連絡が来たなど、被害がはっきりしているときは、警察に相談してください(「困ったときの相談先」)。NOTICEは、すでにマルウェアに感染している場合は、こうした対応をしても問題が解決しないこともあるとしています。自分で手に負えなければ、メーカーのサポートやNOTICEサポートセンターに相談します。
08見守りカメラ・ペットカメラを家の中で使うときの注意
見守りカメラやペットカメラは、寝室やリビングなど、一番見られたくない場所に置かれがちです。設定の確認に加えて、置き方と使い方でも被害を小さくできます。
- レンズの向きを考える:着替えや寝姿など、もし見られたら困る場所を映さない向きに置きます。
- 使わないときは止める:家族が家にいる時間帯は、電源を切るなどして映さないようにします。IPAが勧める「必要でない限りインターネットにつながない」の考え方を、家の中でもいかせます。
- 家族とはパスワードではなく共有機能で:アカウントのパスワードを家族に教えるより、メーカーの共有機能を使うほうが、誰がつながっているかを後から確かめられます。使わなくなった共有は消します。
- 中古やもらい物のカメラは初期化してから:NOTICEは、中古で買ったルーターなどをパスワードを変えずに使うと、以前の持ち主などがパスワードを知っている状態になると注意しています。カメラも同じで、初期化してファームウェアを最新にしてから使います。
- 手放すときも初期化する:譲ったり捨てたりする前に初期化し、アプリのアカウントから機器を外します。
家の防犯全体を考えるなら、カメラだけでなく、警備会社が見張るサービスと組み合わせる方法もあります。ホームセキュリティのページで、駆けつけの有無や料金の考え方を比べられます。
09お店・事務所の防犯カメラで確認すること(業者に任せている場合)
- カメラと録画機のパスワードを、初期値から変えているか(IPA・総務省)
- ファームウェアを誰がいつ更新するか、サポートはいつまでか(総務省)
- インターネットから直接見られる設定になっていないか、外から見る必要があるなら接続元を制限しているか(JPCERT/CC)
- Web以外の不要なサーバー機能を止めているか(IPA)
- 機器の記録(ログ)を定期的に見ているか(JPCERT/CC)
総務省は、管理を外注している場合は外注先の事業者に問い合わせるよう書いています。JPCERT/CCも、設定方法は製品ごとに違うので、マニュアルを見るか設置事業者に確認するよう勧めています。外から見る必要がある場合は、特定のIPアドレスからだけ許可する、VPNを使うなどのアクセス制限を検討するよう、JPCERT/CCは書いています。IPAは、より詳しい「ネットワークカメラシステムにおける情報セキュリティ対策要件チェックリスト」を公開しており、導入のときはこれを使うよう案内しています。
業務用カメラのサポート期間は、メーカーが公開していることがあります。たとえばi-PROは、ハードウェア機器について、不具合修正や脆弱性対策などのファームウェアの更新を生産終了から7年間提供するとしています。設置から年数がたったカメラは、型番でサポートの状況を確かめてください。お客様や従業員が映るカメラの映像が外に出ると、取り返しがつきません。業者とのやりとりは、上の5点を書面で残しておくと、担当者が変わっても引き継げます。
10カメラを選ぶときに見る点
これから買うなら、どこを見ればいいの?
1台ずつ違う初期パスワード、自動アップデート、サポート期間、2段階認証、JC-STARのラベルです。外から見ないならネットにつながない型もあります。
これからカメラを買う、買い替えるときに見る点です。比べるときは、図鑑の防犯カメラの一覧も使ってください。
- 1台ずつ違う初期パスワード、または最初に変更を求める作り:NOTICEは、1台ずつ違うIDやパスワードが割り当てられた製品を勧めています。2019年の法令改正で、ルーターやカメラなどには、初期のID・パスワードの変更を促す機能か、1台ずつ違うID・パスワードを備えることなど4つの基準が義務づけられました(端末設備等規則第34条の10、NOTICEの説明)。
- ファームウェアの自動アップデート:NOTICEは、自動アップデートができる機器を選び、その機能を必ず有効にするよう勧めています。
- サポート期間が公開されている:いつまで更新が届くかが分かるメーカーを選びます。
- アプリに2段階認証がある:アプリで見る型では、アカウントを守る仕組みがあるかを確かめます。
- JC-STARの適合ラベル:IPAが運営するIoT製品のセキュリティの評価制度です。NOTICEは、安全なIoT製品を選ぶにはJC-STARの適合ラベルが付いた製品を選ぶよう案内しています。IPAはネットワークカメラ向けの★3の要件も公開しています。ただしIPAは、ラベルは最低限の水準を満たしたことを確かめるもので、完全なセキュリティを保証するものではないと書いています。
- 技適マーク:NOTICEによると、2020年4月以降、カメラなどはセキュリティの基準への適合も確かめたうえで認定されています。技適マークのない製品の使用は法令違反になります。
- インターネットにつながなくても使える型:外から見る必要がなければ、ネットにつながない選び方もあります。たとえばパナソニックのモニター付き屋外カメラVL-CV100Kは、カメラとモニター親機のセットで、インターネット環境やスマホがなくても使えます(外出先から見るにはネット環境が要ります)。
安いアプリ型のカメラ(たとえばTP-Link Tapo)を選ぶ場合も、上の点、とくに2段階認証とファームウェアの更新を確かめれば、安全に使いやすくなります。値段の高い安いだけでは、安全かどうかは決まりません。
11プロバイダからNOTICEの注意喚起が届いたら
NOTICEは、2019年2月20日に始まった総務省・NICT・プロバイダなどの取り組みです。NICTが、外からつながるIoT機器に推測されやすいID・パスワードを入れて、悪用されるおそれのある機器を調べ、プロバイダが契約者に注意喚起します。2024年3月29日からは、ファームウェアに脆弱性がある機器や、すでにマルウェアに感染している機器も対象になりました。総務省は、NOTICEのこれまでの活動で、悪用されるIoT機器の多くはルーターやネットワークカメラだと分かっているとしています。
注意喚起は、契約しているプロバイダからメールや郵送で届きます。書かれた12桁または15桁の「お問合せID」をNOTICEのサイトで入れると、機器に合わせた対処方法を確かめられます。プロバイダ以外からNOTICEを名乗る連絡があった場合は詐欺のおそれがあるので、NOTICEサポートセンターかプロバイダに問い合わせるよう、NOTICEは書いています。
12困ったときの相談先
- カメラのメーカー・設置業者:初期化のしかた、ファームウェアの更新、サポート期間の相談先です。業者に任せている場合は、まず業者へ(総務省)。
- NOTICEサポートセンター:0120-769-318(無料、固定電話のみ)、03-4346-3318(有料)。受付は10時〜18時(12月29日〜1月3日を除く)。カメラやルーターに応じて、管理用パスワードの変更やファームウェアの更新を案内しています。作業で機器が壊れても保証はしないと断っています。
- IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」:03-5978-7509、10時〜17時(土日祝日・年末年始を除く)。ウイルスや不正アクセスの一般的な技術相談の窓口です。
- 警察:映像の流出やのぞき見の被害は、最寄りの警察署へ。警察庁のサイトから、e-Gov電子申請で「サイバー事案に関する通報等」をオンラインで送ることもできます。
- JPCERT/CC(会社・団体の場合):インシデント対応の依頼をWebフォームかメールで受け付けています。電話での報告は原則受け付けていません。
13よくある質問
Q外から見られないためには、ネットにつながないのが一番ですか?
外から見る必要がないなら、それが確実です。IPAは、必要でない限りカメラをインターネットにつながないよう勧めています。外出先から見たいなら、パスワード、ファームウェア、使わない機能の3点(総務省)と、アプリの2段階認証を整えて使います。
Q安いカメラは危ないですか?
値段だけでは決まりません。初期パスワードが1台ずつ違うか、ファームウェアが自動で更新されるか、サポート期間が示されているか、JC-STARの適合ラベルがあるか、を見て選びます。高いカメラでも、初期パスワードのままなら危険です。
Q自分のカメラの映像が、ネットに公開されていないか調べられますか?
総務省は、カメラの映像を集めて公開するサイトが複数あると注意していますが、利用者が自分の映像の公開を確かめる方法は示していません。こうしたサイトを探して開くより、総務省の3つの確認項目でカメラの設定を直すことを先にしてください。映像が出ているのを見つけたら、記録を残して警察に相談します。
Qパスワードを変えたのに、まだ不安です。
パスワードの変更だけでは、すでに書き換えられた設定や感染は残ることがあります。NOTICEの案内どおり、初期化してからファームウェアを最新にし、パスワードを設定し直してください。サポートが終わった機種なら、買い替えも考えます。
Qマンションの共用部や職場のカメラが心配です。
管理しているのは管理会社やお店・会社です。総務省は、カメラの管理を外注している場合は外注先の事業者に問い合わせるよう書いています。気になる点があれば、管理者に、パスワード・ファームウェア・使わない機能の3点を確かめているかを尋ねてみてください。
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出典(一次資料)20件被害を受けた組織や公的機関の発表だけを出典にしています(2026.10.31に確認)開く
- 1
- 2総務省「IoT機器のセキュリティ向上を推進する新しい「NOTICE」を開始」(2024年3月29日) ↗www.soumu.go.jp
- 3NOTICE「ルーター / ネットワークカメラに潜むリスク」 ↗notice.go.jp
- 4NOTICE「ルーター / ネットワークカメラの乗っ取り事例」 ↗notice.go.jp
- 5NOTICE「ルーター / ネットワークカメラの安全な管理方法」 ↗notice.go.jp
- 6NOTICE「ルーター / ネットワークカメラに関する制度・基準」 ↗notice.go.jp
- 7NOTICE「ルーターの役割」 ↗notice.go.jp
- 8NOTICE「最近の観測状況」(2026年8月時点) ↗notice.go.jp
- 9NOTICE「FAQ」 ↗notice.go.jp
- 10NOTICE「注意喚起を受けた方へ」 ↗notice.go.jp
- 11IPA「そのカメラ、正しく設定できていますか?」 ↗www.ipa.go.jp
- 12IPA「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」 ↗www.ipa.go.jp
- 13IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」 ↗www.ipa.go.jp
- 14JPCERT/CC「インターネットに接続された機器の管理に関する注意喚起」(2016年12月21日) ↗www.jpcert.or.jp
- 15JPCERT/CC「インシデント対応依頼」 ↗www.jpcert.or.jp
- 16国土交通省「配信を停止している簡易型河川監視カメラの再開について」(2023年3月31日) ↗www.mlit.go.jp
- 17警察庁「サイバー犯罪の相談窓口」 ↗www.npa.go.jp
- 18i-PRO「i-PRO製品の保証および生産終了後のサポート」 ↗i-pro.com
- 19
- 20パナソニック「家のまわりの防犯を強化するモニター付き屋外カメラ VL-CV100Kを発売」 ↗news.panasonic.com

