個人情報保護委員会、4〜6月に民間98件を指導。不正アクセスが中心で、脆弱性の放置と弱いパスワードが目立つ
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- セキュリティ図鑑編集部
SUMMARY
要点をまとめると
- 01
個人情報保護委員会は2026年9月2日、令和8年度第1四半期(4〜6月)の監視・監督の状況を公表しました。
- 02
民間事業者への指導は98件で、不正アクセスによる漏えいが中心です。
- 03
原因はVPN機器やECサイトの脆弱性の放置、推測されやすいパスワード、データベースの設定ミスが多く、ランサムウェアも15件ありました。
個人情報保護委員会は2026年9月2日、令和8年度第1四半期(2026年4〜6月)の監視・監督の状況と、漏えい等報告の処理状況を公表しました。民間事業者への指導・助言は98件で、委員会は「不正アクセスを原因とする漏えい等事案を中心に、安全管理措置の不備等について指導を行った」としています。どんな不備で指導されたかが具体的に書かれており、中小企業が自社を点検するときの手がかりになります。
01発表されている数字
| 項目 | 令和8年度第1四半期 |
|---|---|
| 指導・助言(個人情報保護法) | 計141件(民間事業者98件、行政機関等43件) |
| 攻撃の種類 | ブルートフォース攻撃、SQLインジェクション攻撃など。ランサムウェア攻撃は15件 |
| 指導の内容(多い順) | 外部からの不正アクセス等の防止の不備21件、アクセス者の識別と認証の不備14件、委託先に対する監督の不備12件、情報システムの使用に伴う漏えい等の防止の不備3件 |
| 報告の遅れへの指導 | 45件 |
| 漏えい等報告の処理件数 | 個人情報6,101件(前年同期5,652件) |
| うち事業者の「不正の目的」による事態 | 1,450件(26.6%)。資料に並ぶ5つの四半期で最も多い |
「不正の目的」は、不正アクセスなど、不正な目的で行われたおそれがある漏えいを指す報告の区分です。数字は公表時点のもので、年次報告などで改められることがあります。
02指導された主な原因
委員会は、不正アクセスによる漏えいの原因として、次の3つが多いとしています。
- VPN機器や、ECサイトを作るアプリケーションなどの脆弱性が公表され、対応方法も出ていたのに放置していた
- IDとパスワードが推測されやすいものだった
- 設定ミスで、データベースへのアクセス制御が適切でなかった
事例には、VPN経由で入られてランサムウェアに感染した例が複数あります。ほかにも、通販システムのSQLインジェクションの脆弱性が長年放置されていた例、予約サイトのデータベース管理システムが構築時からサポート切れの版だった例、宿泊施設の予約管理システムで、過去にも被害があったのに運営者が勧めるIPアドレス制限をしていなかった例が載っています。従業者がサポート詐欺に遭ってPCを遠隔操作され、業務に必要のない人にも顧客データを見られる権限を与えていた例もあります。委託先の事故では、委託元も監督の不十分さで指導されています。
03読者への影響
指導の理由の多くは、特別な攻撃ではなく、公表済みの脆弱性やパスワードといった基本の不備です。不正アクセスの事案では、委員会は事業者に警察やIPAへの連絡を促しているとしています。
04今すぐやること
- VPN機器とWebシステムの版を確かめる。メーカーの最新版か、サポートが終わった版を使っていないかを見ます。
- VPNと管理画面のパスワードを見直す。推測されやすいものは変え、多要素認証を有効にします。使っていないアカウントは消します。
- データベースと共有の権限を絞る。顧客データを見る必要のない人の権限を外し、外から届かない設定かを確かめます。
- 委託先の対応を確かめる。サイトや予約システムを任せている会社に、脆弱性への対応とIP制限などの設定を聞きます。
- 漏えいの報告は遅らせない。報告の遅れだけで45件の指導がありました。手順を事前に決めておいてください。
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- 2個人情報保護委員会「令和8年度第1四半期における漏えい等報告の処理状況」(2026年9月2日) ↗www.ppc.go.jp

