個人情報が漏れたらどうなる?起きることを情報の種類別に整理|メール・パスワード・カード・免許証・マイナンバー
- 18分で読める
- 一次資料26件
- セキュリティ図鑑編集部
この記事で整理した主な二次被害
偽メール、不正ログイン、カード、名簿、なりすまし契約本人申告の相談先
JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センター全銀協センターのネット申告の手数料
マイナンバーカードで本人確認消費者ホットライン
「削除してあげる」と言われたらSUMMARY
要点をまとめると
- 01
個人情報が漏れても、すぐ被害が出るとは限りません。
- 02
起きうるのは偽メールや詐欺電話、不正ログイン、カードの不正利用、名簿としての売買、免許証画像によるなりすまし契約などです。
- 03
まず漏れた情報の種類を確かめ、パスワードの変更、カード会社への相談、信用情報機関への本人申告を種類に応じて行います(2026年11月1日時点)。
そもそも二次被害とは?
漏れた情報が悪用されて、後から起きる被害のことです。カードの不正利用や詐欺メールなどがあります。
たとえるなら落とした鍵そのものより、その鍵で後から家に入られることのほうが本当の被害、というイメージです。
- 1情報が漏れる不正アクセスなどで外に出る
- 2リスト化される売買されることもある
- 3悪用される偽メールや不正ログイン
個人情報保護委員会のQ&AとIPAの説明をもとに、やさしく言い換えています。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6「お客様の個人情報が漏えいした可能性があります」というメールが届いた。ニュースで、使っているサービスの名前を見た。こんなとき、これから自分に何が起きるのか不安になります。カードが勝手に使われるのか。家に誰か来るのか。お金を取られるのか。先が見えないと、怖さばかりが大きくなります。
この記事は、漏れた本人の目線で「何が起きうるのか」と「何をすればいいのか」を、漏れた情報の種類ごとに整理しました。中身は、IPA(情報処理推進機構)、警察庁、個人情報保護委員会、消費者庁、デジタル庁、全国銀行協会の公式ページを2026年11月1日時点で確かめたものです。自分の情報が漏れたかどうかの調べ方はメールアドレスの漏えいを確認する記事、会社の側の報告義務は会社がやることをまとめた記事にあります。
01この記事でわかること(3行まとめ)
漏えいのお知らせが来た!もうお金を取られちゃうの?
すぐそうなるとは限りません。何が漏れたかで起きることが違います。まず通知で種類を確かめて、種類ごとに対処しましょう。
二次被害のリスクを下げる行動をとる
通知やサービスの案内で項目を見る
パスワード変更、カード会社、本人申告
- 漏れたからといって、すぐ被害が出るとは限りません。公的機関が挙げるのは、なりすましメール、不正ログイン、カードの不正利用、名簿としての売買、なりすまし契約などの「二次被害」のリスクです。
- 何が起きるかは、漏れた情報の種類で変わります。まず通知やサービスの案内で、自分のどの情報が漏れたのかを確かめます。
- 対処も種類ごとに違います。パスワードは変える、カードはカード会社に相談する、免許証の画像は信用情報機関への本人申告を検討する、です。
IPAは2026年10月26日に「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」を公開しました。不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次ぎ、情報が漏れた一般の人から「どう対応すればよいか」という相談が数多く寄せられているためです。この記事の対処の部分は、主にこのページに沿っています。
02漏れたら、すぐ何かが起きるの?
漏れたことと、被害にあうことは別です。IPAのページも「リスク」「可能性」という言葉で説明し、二次被害のリスクを下げるための対処を案内しています。二次被害とは、漏れた情報が悪用されて、後から起きる被害のことです。
個人情報保護委員会のQ&A(Q6-25)は、二次被害の例として次の3つを挙げています。
- クレジットカードの不正利用
- ポイントサービスにおけるポイントの不正利用
- 漏れたメールアドレス宛てに、第三者が不審なメールや詐欺メールを送ること
マイナンバーのQ&A(Q17-20)には、行政機関を名乗り、番号が漏えいしているなどと言って振り込みに誘導する詐欺も挙がっています。つまり、よくある形は「漏れた情報を使って、あなたをだましに来る」か「あなたになりすまして、何かをする」かのどちらかです。
こうした通知が増えているのは確かです。個人情報保護委員会によると、2026年度第1四半期(4〜6月)に処理した漏えい等の報告は、個人情報で6,101件でした。誤交付など不正アクセス以外の原因も含む数字です。
通知の「漏えいのおそれ」という言葉は、確定した漏えいとは少し違います。個人情報保護委員会のガイドラインは、その時点で分かっている事実から漏えいが疑われるものの、確証がない場合を「おそれ」としています。ただし、対象かどうかがはっきりするまで待つ必要はありません。パスワードの変更や明細の確認は、早めにしておいて損はありません。
いつ被害が来るかを前もって知ることはできません。IPAはカードの明細について「当面の間」定期的に確かめるよう案内していますが、いつまでという期限は示していません。この記事でも「何か月たてば安全」とは書きません。
03起きること1:なりすましメール・SMS・詐欺電話
メールに私の名前が書いてあるから、本物だよね?
そうとは言えません。漏れた氏名が偽メールの文面に使われることも考えられます。リンクは押さず、公式サイトから確かめましょう。
いちばん身近なのがこれです。IPAは、メールアドレス、電話番号、住所、氏名などが漏れると、リスト化されて闇サイトなどで販売される可能性があり、そのリストを悪用して偽メール、偽SMS、詐欺電話、不審な郵便物が来る可能性があるとしています。
注意したいのは、偽メールの文面に、漏れた自分の氏名が書かれていることも考えられる点です。「名前が合っているから本物」とは判断できません(フィッシングの用語ページ、SMSの場合はスミッシング)。
警察庁は2026年10月23日更新の広報資料で、情報流出元の企業をかたる偽メールの可能性があるとして、メール内のリンクを安易にクリックしないよう呼びかけています。警察庁のフィッシング対策のページによると、文面は「個人情報の漏えい」「不正アクセス検知」「取引の停止」など切迫感をあおるものが多く確認されています。送信元の名前やメールアドレスも簡単に偽装できるので、それだけで真偽は判断できません。
警察庁のページに載っている相談事例と文面の例は、次のようなものです。漏れたメールアドレスや電話番号には、こうした連絡が届く可能性があります。
- 銀行から「重要なお知らせ」。URLを開いて口座番号や暗証番号を入れたら、身に覚えのない送金をされた
- カード会社から「クレジットカード情報の確認」。カード情報を入れたら、後日、身に覚えのない支払いがあった
- 大手通販サイトから「不正なログインが確認されたため、アカウントをロックしました」。慌ててIDとパスワードを入れてしまった
- 宅配業者から不在通知のSMS。荷物追跡のアプリを入れたら、登録している電話番号にSMSが大量に送られていた
共通するのは「急がせる」「リンクから入力やインストールをさせる」の2点です。この2つがそろったら手を止めてください。
04起きること2:不正ログイン
IDとパスワードが漏れると、自分のアカウントに不正にログインされるリスクがあります。IPAが挙げる被害の例は次のとおりです。
- 通販サイトで、勝手に商品を買われる
- ネットバンキングで、不正に送金される
- SNSで、身に覚えのない投稿をされる
怖いのは、漏れたサービス以外にも広がることです。同じパスワードをほかのサービスでも使っていれば、そちらにも入られるおそれがあります。だからIPAは、使い回している先のパスワードも同じように変えるよう案内しています(パスワードリスト攻撃の用語ページ、パスワードの使い回しの記事)。
警察庁の相談事例には、普段使っている通販サイトで身に覚えのないカメラが購入され、貯めていたポイントまで使われていた例もあります。カードの明細に見慣れない請求が出て初めて気づくこともあるので、ログインできる人は購入履歴やログイン履歴も見てください。
すでに入られたかもしれないときは、警察庁の不正アクセス対策のページが次の順番を案内しています。サービス会社に連絡する、パスワードを変える、ログイン履歴を保存する、警察に相談する、です。登録していたカードや、使っているネットバンキングも確かめてください。
05起きること3:クレジットカードの不正利用
カード情報が漏れると、不正な決済のリスクがあります。個人情報保護委員会のQ&A(Q6-12)は、カード番号だけの漏えいでも、暗証番号やセキュリティコードが割り出されるおそれがあるとして、財産的被害のおそれがある漏えいに当たると考えられるとしています。
IPAの案内は2つです。カード会社に連絡して、不正な利用がないかの確認と、利用停止や再発行について相談すること。当面の間、明細に身に覚えのない決済がないか定期的に確かめること。実際に身に覚えのない請求を見つけたときの手順と補償の考え方は、クレジットカードの不正利用の記事にまとめています。
06起きること4:名簿として出回る
漏れた情報は、一度きりで終わるとは限りません。IPAは、リスト化されて闇サイトなどで販売される可能性を挙げています。
名簿と詐欺の関係は、実際に行政処分の例があります。個人情報保護委員会の令和7年度年次報告によると、委員会は名簿業者に対して、2025年5月16日に緊急命令と勧告を、同年9月10日に勧告を行いました。報告では、提供先が違法な行為に及ぶ者である可能性を認識しながら提供していた、または特殊詐欺グループに個人情報が渡る可能性を認識しながら提供していたと説明されています。
出回った情報を自分の手で全部消すのは、現実には難しいと考えてください。IPAの案内も「消す」ではなく、偽の連絡に反応しないことが中心です。なお、名簿業者などのオプトアウト提供(本人が止めるまで同意なく第三者に渡せる仕組み)については、個人情報保護委員会が届出書を公表しています。届出書には本人の求めを受け付ける方法が書かれます。届け出た事業者に止めてほしいときの手がかりになります。不正な手段で取得された個人データは、オプトアウト提供の対象外です。
07起きること5:免許証の画像などでなりすまし契約
運転免許証などの本人確認書類の画像が漏れた場合です。IPAは、第三者がネット上の契約で本人になりすまし、クレジットカードやローンの契約の本人確認資料として悪用する可能性を挙げています。警察庁の広報資料も、本人確認を行う事業者に、なりすましを防ぐための本人確認の徹底を求めています。
対処としてIPAが案内しているのが、信用情報機関への本人申告です。漏えいの事実を登録することで、第三者による不正利用や身に覚えのない契約の抑止に役立つとしています。相談先は日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つです。
全国銀行個人信用情報センターの案内で確かめた内容は次のとおりです(手続きや金額は変わることがあります)。
- 対象:運転免許証などの本人確認書類の紛失、盗難、漏えいなどで名義を使われる可能性がある場合
- 手数料:インターネットの申告で500円。マイナンバーカードで本人確認をします。できない場合は郵送の手続きがあります
- 限界:金融機関の判断の参考になるもので、判断を拘束しません。悪用の防止効果を保証するものでもなく、預金口座の開設のときには照会されません
- 現在の状況:申し込みが大幅に増えていて、通常より相当の日数がかかると案内されています
日本信用情報機構(JICC)も、信用情報の開示と本人申告コメント登録の申し込みが集中していて、通常より時間がかかると案内しています。手続きの方法や費用は機関ごとに違うので、各機関の公式サイトで確かめてください。信用情報の開示を受けると、自分の名義で身に覚えのない契約が登録されていないかを確かめる手がかりにもなります。
08漏れた情報の種類ごとのリスク表
偽メール、偽SMS、詐欺電話、不審な郵便物
不正ログイン、勝手な購入、不正送金
不正な決済
カードやローンのなりすまし契約
通知に書かれた項目を、この表に当てはめてください。IPA、警察庁、デジタル庁などの公式の案内をもとに、当サイトで一覧にしました。
| 漏れた情報 | 起きうること | やること |
|---|---|---|
| メールアドレス | 偽メールが届く。名簿として売買される | 突然のメールは詐欺と考えて無視。リンクを押さない |
| 電話番号 | 偽SMS、詐欺電話 | SMSのURLを開かない。電話で情報を教えない |
| 住所・氏名 | 不審な郵便物。文面に名前が入った偽の連絡 | 不審な着払いは受け取らない。名前が合っていても信じない |
| IDとパスワード | 不正ログイン、勝手な購入、不正送金、なりすまし投稿 | すぐ変更。使い回し先も変更。多要素認証を設定 |
| クレジットカード情報 | 不正な決済 | カード会社に確認と利用停止・再発行の相談。明細を定期的に確認 |
| 運転免許証などの画像 | なりすましでカードやローンを契約される | 信用情報機関への本人申告を検討 |
| マイナンバー | 番号だけでは手続きできない。「漏れた」とかたる詐欺に注意 | 不正に使われるおそれがあれば市区町村に番号変更を相談 |
| 病歴など(要配慮個人情報) | 差別や偏見につながるおそれがあり、法律で特に慎重な扱いが決められている | 対応は事案ごとに違うので、漏らした会社の窓口と下の相談先へ |
個人情報保護委員会のQ&A(Q6-11)は、住所、電話番号、メールアドレス、SNSアカウントだけの漏えいは、直ちに財産的被害のおそれがある漏えいには当たらないと考えられるとしています。本人になりすまして財産の処分が行われる場合を想定しているためです。お金の被害に直結しやすいのはカード情報やログイン情報で、住所やメールアドレスは「だまされる入口」になりやすい、と分けて考えると整理しやすくなります。
複数の情報が一緒に漏れているときは、該当する行を全部やります。病歴などについて、本人向けの具体的な対処を示した公的な案内は、今回の確認では見つかりませんでした。そのため表では相談先を案内しています。
09漏れたと分かったらやること
連絡、公式サイト、窓口で
パスワード変更、カード会社に相談
本人確認書類が漏れたとき
突然のメールやSMSは無視
- 落ち着いて、漏れた情報の種類を確かめる。IPAは、サービス提供者からの連絡、ウェブサイトの案内、サポート窓口で確かめるよう案内しています。
- パスワードが含まれていれば変更する。長く複雑なものにし、使い回し先も変えます。
- カード情報が含まれていれば、カード会社に連絡する。不正な利用の確認と、利用停止や再発行を相談します。
- 本人確認書類の画像が含まれていれば、本人申告を検討する。
- これからの連絡を疑う。突然のメールやSMSは基本的に詐欺と考えて無視し、リンクを押さず、情報の入力やアプリのインストールをしません。
- 通知やメールを保存しておく。後で相談するときに、経緯を説明しやすくなります。
順番に迷ったら、お金に直結するものを先にします。ログイン情報とカード情報が先で、その次に本人確認書類、最後に日々の注意です。これは公的機関の決まりではなく、被害の大きさと急ぎやすさから当サイトが考えた順番です。ネットバンキングを使っている人は、IDやパスワードが漏れた場合に限らず、不正な送金がないかも見ておくと安心です。警察庁は、不正アクセスされた場合には不正送金の有無を確かめ、あれば金融機関に速やかに連絡するよう案内しています。
10通知が届いたときの確認:その通知は本物?
- 通知のリンクから手続きをしない。IPAは、メールの真偽を確かめたいときは正規のサイトを自分で調べ、そこから問い合わせるよう案内しています。
- お金や個人情報を求められたら手を止める。判断に迷うときは、公式サイトの窓口に自分で問い合わせて確かめてください。
- 公式サイトのお知らせと照らし合わせる。同じ内容が公式サイトにあるか確かめます。
- 書かれている項目を見る。報告の対象になる漏えいの通知では、法律の規則で、概要、漏れた項目、原因、二次被害の有無と内容、その他参考になる事項を、本人の権利を守るのに必要な範囲で伝えることになっています。
通知の読み方と、本当に自分の情報が含まれるかの調べ方は、メールアドレスの漏えいを確認する記事をご覧ください。すでにリンクを開いてしまったときは変なメールを開いてしまったときの記事へ。
11マイナンバーが漏れたら:番号だけでは手続きできない
マイナンバーが漏れたら、銀行口座まで作られちゃう?
デジタル庁は、番号だけでは手続きできず、それだけでは悪用されないとしています。そうあおるメールのほうが詐欺の可能性があります。
「マイナンバーが漏れた」と聞くと、特に不安になります。デジタル庁のよくある質問(Q5-5)は、万が一漏えいした場合でも、マイナンバーだけでは手続きはできないので、それだけでは悪用されないとしています。マイナンバーを利用するときは厳格な本人確認が義務付けられているためです。
情報の管理も分かれています。Q5-4によると、個人情報をひとつの共通データベースで管理することはなく、役所の間のやりとりにはマイナンバーではなく役所ごとに異なる符号を使うので、芋づる式に抜き出すことはできない仕組みとされています。
それでも不安なときのために、番号の変更の仕組みがあります。番号法第7条第2項は、個人番号が漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められるとき、市町村長が本人の請求または職権で番号を変更すると決めています。デジタル庁も、そうした場合に限って変更できるとしています(Q2-4)。自由に変えられるわけではないので、お住まいの市区町村の窓口に相談してください。
カードそのものをなくしたときは話が別です。個人番号カードの公式サイトの案内を確かめ、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)で一時利用停止をしてください。
12「漏れた情報を削除してあげる」は詐欺に注意
漏えいのニュースが増えると、その不安につけ込む連絡も出てきます。公的機関が注意を呼びかけている例は次のとおりです。
- 国民生活センターをかたる電話:「あなたの個人情報が漏れているので、削除してあげる」。国民生活センターは2024年8月、そうした電話をすることは絶対にないとして、対応せずに無視するよう呼びかけました。
- 消費生活センターをかたる電話やはがき:消費者庁によると、消費生活センターは、相談をしたことのない人に電話やはがきを送ることはありません。どんな名目でもお金を請求することもありません。
- マイナンバーの漏えいをかたるメール:デジタル庁などの注意喚起に、個人情報の削除費用として電子マネーを買わせて番号を送らせ、だまし取った例が載っています。
- 警察官をかたる電話:「マイナンバーの暗証番号が漏れている」と言って暗証番号を聞き出そうとする例も同じ注意喚起に載っています。
国民生活センターの相談事例には、「大手通販サイトや国際団体に個人情報が漏洩している。こちらから削除依頼をすることができる」と言われ、依頼してしまった例もあります。本物の漏えいの通知を受けた直後は、こうした話を信じやすくなります。話が本当らしく聞こえても、相手の言うとおりにしないでください。
疑問を感じたら、相手が指定する番号にかけ直さず、消費者ホットライン「188」に電話してください。警察の相談は「#9110」です。
13漏らした会社に対してできること
個人情報保護法第26条第2項は、報告の対象になる漏えいが起きたとき、会社に本人への通知を義務づけています。第35条第5項は、漏えいなどが生じた場合に、本人が自分の保有個人データの利用停止や消去、第三者提供の停止を請求できるとしています。どこまで応じてもらえるかは個別の判断になります。
裁判では、最高裁が2017年10月23日の判決で、氏名や住所などの漏えいについてプライバシーの侵害を認め、不快感などを超える損害が証明されていないというだけで請求を退けた判断を取り消しました。ただ、これは審理のやり直しを命じたもので、一律の金額を決めたものではありません。
お金の補償については、公的な一律のルールは確かめられませんでした。お詫びや補償の有無は、その会社の案内を見て窓口に確かめてください。扱いに納得できないときは、下の相談先へ。実際に損害が出ていて法的な請求を考えるなら、弁護士や法テラスに相談してください。
14これからに備える対策
- パスワードは長く複雑にし、使い回さない。
- 多要素認証やパスキーを設定する。IPAは、設定できるサービスでは積極的に使うよう推奨しています(多要素認証、パスキー)。
- 偽メールに注意する。リンクを押さず、公式サイトやアプリから確かめます。
- 登録する情報を必要最小限にする。使わなくなったアカウントは削除します。情報が削除されるかは、利用規約やプライバシーポリシーで確かめます。
- 詐欺電話の対策をする。警察庁は、スマホの詐欺電話対策として「警察庁推奨アプリ」を案内しています。
家族にも伝えておく:詐欺の電話やはがきは高齢の家族にも届きます。国民生活センターの事例には60歳代、70歳代の相談者の例があります。「漏れた情報を消すと言われたら切る」「お金の話が出たら一度切って家族や188に相談する」と決めておくと、慌てたときに思い出せます。
漏えいへの備え全般は情報漏えいの悩みのページ、被害の場面ごとの動き方は被害にあったらのページにまとめています。
15困ったときの相談先
安心相談窓口 03-5978-7509
188
相談ダイヤル 03-6457-9849
#9110、最寄りの警察署
- IPA 情報セキュリティ安心相談窓口:03-5978-7509(10時〜17時、土日祝日と年末年始を除く)。漏えいの対象になったときの対処の相談を受け付けています。
- 消費者ホットライン:188。お近くの消費生活相談窓口につながります。
- 個人情報保護法相談ダイヤル(個人情報保護委員会):03-6457-9849(9時30分〜17時30分、土日祝日と年末年始を除く)。事業者の個人情報の扱いへの苦情や、制度の質問を受けます。違法かどうかの判断を求める相談には応じていません。マイナンバーの相談も音声案内の中にあります。
- 警察:被害にあったら最寄りの警察署かサイバー犯罪相談窓口へ。迷ったら「#9110」です。
- カードや銀行:カード裏面の番号や、公式サイトの窓口へ。
16よくある質問
Q個人情報が漏れたら、家に誰か来ることはありますか?
公的機関の案内で中心になっているのは、偽メール、詐欺電話、不審な郵便物です。住所が漏れた場合の訪問の危険を具体的に示した公的な案内は、今回の確認では見つかりませんでした。不審な訪問や身の危険を感じたら、警察に相談してください。
Qメールアドレスだけなら大丈夫ですか?
メールアドレスだけで口座のお金がすぐ動くわけではありません。ただ、偽メールの宛先に使われる可能性があります。そのメールにだまされて入力すると、次の被害につながります。リンクを押さないことが対策です。
Qカード番号が漏れたら、番号を替えるべきですか?
IPAの案内は、カード会社に連絡して利用停止や再発行について相談することです。判断はカード会社と話して決めてください。替えたときの手順は不正利用の記事にあります。
Qいつまで気をつければいいですか?
公的な期限は示されていません。名簿として出回る可能性があるため、「当面の間」は明細を確かめ、偽の連絡への注意はこの先もずっと続ける習慣にしてください。
Q漏れた情報をダークウェブで探して、消してもらえますか?
自分でそうしたサイトを探しに行くことはおすすめしません。個人の情報を確実に消せる方法を示した公的な案内も確かめられませんでした。「消してあげる」と持ちかける連絡は、詐欺の可能性があります。
Q会社から通知が来ないのに漏れていることはありますか?
法律で本人への通知が義務なのは、報告の対象になる漏えいのときです。連絡先が分からないなどで通知が難しい場合は、公表などに代えることも認められています。気になるサービスは公式サイトのお知らせも確かめてください。
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出典(一次資料)26件被害を受けた組織や公的機関の発表だけを出典にしています(2026.11.04に確認)開く
- 1IPA「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」(2026年10月26日) ↗www.ipa.go.jp
- 2IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」 ↗www.ipa.go.jp
- 3
- 4警察庁「フィッシング対策」 ↗www.npa.go.jp
- 5警察庁「不正アクセス対策」 ↗www.npa.go.jp
- 6警察庁「サイバー犯罪の相談窓口」 ↗www.npa.go.jp
- 7
- 8個人情報保護委員会「特定個人情報の漏えい等の報告等」Q17-20 ↗www.ppc.go.jp
- 9個人情報保護委員会「令和7年度 年次報告」 ↗www.ppc.go.jp
- 10個人情報保護委員会「令和8年度第1四半期における漏えい等報告の処理状況」(2026年9月2日) ↗www.ppc.go.jp
- 11個人情報保護委員会「オプトアウト規定による第三者提供の届出」 ↗www.ppc.go.jp
- 12個人情報保護委員会「個人情報保護法相談ダイヤル」 ↗www.ppc.go.jp
- 13e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」 ↗laws.e-gov.go.jp
- 14e-Gov法令検索「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」 ↗laws.e-gov.go.jp
- 15デジタル庁「よくある質問:個人情報の保護について」Q5-4、Q5-5 ↗www.digital.go.jp
- 16デジタル庁「よくある質問:マイナンバー(個人番号)について」Q2-4 ↗www.digital.go.jp
- 17デジタル庁「マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!」 ↗www.digital.go.jp
- 18地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード及び電子証明書を搭載したスマートフォンを紛失した場合の一時停止方法は?」 ↗www.kojinbango-card.go.jp
- 19個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 ↗www.ppc.go.jp
- 20裁判所「最高裁判所第二小法廷 平成29年10月23日判決(平成28年(受)第1892号)」 ↗www.courts.go.jp
- 21日本信用情報機構(JICC)「信用情報の開示」 ↗www.jicc.co.jp
- 22シー・アイ・シー(CIC)「本人申告」 ↗www.cic.co.jp
- 23消費者庁「消費生活センター等をかたる不審な電話やはがきにご注意ください!!」(2018年3月15日) ↗www.caa.go.jp
- 24消費者庁「消費者ホットライン」 ↗www.caa.go.jp
- 25国民生活センター「国民生活センターをかたるニセの電話やハガキにご注意ください」(2024年8月7日) ↗www.kokusen.go.jp
- 26全国銀行個人信用情報センター「本人申告の手続き」 ↗www.zenginkyo.or.jp

