ネットバンキングの不正送金に気づいたら|すぐやる連絡の順番、個人と法人の補償の考え方、被害を防ぐ設定
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- 一次資料14件
- セキュリティ図鑑編集部
令和7年のネットバンキング不正送金の被害額
4,747件(警察庁)令和8年上半期の被害額
253件、前年同期比51%減(警察庁)法人の1件あたりの平均被害額
令和7年度、個人は226万円(金融庁)個人で本人に過失がない場合
全銀協の申し合わせ(2008年)SUMMARY
要点をまとめると
- 01
ネットバンキングで身に覚えのない送金に気づいたら、まずキャッシュカードや公式サイトで確かめた番号で銀行に電話し、口座とネットバンキングを止めてもらいます。
- 02
次に警察へ届け出て、パスワードを変え、メールや明細を残します。
- 03
個人は全銀協の申し合わせで過失がなければ原則補償、法人は銀行ごとの判断です。
そもそもボイスフィッシングとは?
銀行などを名乗る電話で、メールアドレスやID・パスワードを聞き出したり、偽サイトや遠隔操作ソフトに誘ったりして、預金をだまし取る手口です。
たとえるなら銀行員のふりをした人が会社に電話をかけ、「手続きのため」と言って金庫の鍵の番号を聞き出すようなもの。
- 1電話をかける自動音声や銀行員を名乗る声で
- 2連絡先や情報を聞き出すメール・携帯番号、ID・パスワード
- 3不正に送金する偽サイトや遠隔操作でネットバンキングに入る
警察庁「サイバー警察局便り R8 Vol.6」とJC3の注意喚起をもとに、やさしく言い換えています。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6ネットバンキングの残高が急に減っている。知らない口座あてに振込がされていた。銀行を名乗るSMSのリンクからログインした後、身に覚えのない取引の通知が届いた。会社の経理の担当者が、銀行を名乗る電話の案内どおりに操作したら、預金が送金されていた。ネットバンキングの不正送金は、気づいてからの数時間の動きで、その後の被害の広がりと補償の話が変わってきます。
この記事の中身は、警察庁、金融庁、一般社団法人全国銀行協会(全銀協)、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)の公式ページと公表資料を2026年10月31日時点で確かめたものです。偽メールや偽SMSの見分け方はフィッシングの用語ページとAmazonの偽メールの記事にまとめているので、ここでは「お金が動いた後」と「お金を動かされないための設定」に絞ります。
01この記事でわかること(3行まとめ)
口座とネットバンキングを止めてもらう
個人は原則補償、法人は銀行ごとの判断
強い認証・低い限度額・取引通知
- 気づいたら、まず銀行に電話して口座とネットバンキングを止めます。次に警察へ届け出ます。連絡先はメールやSMSではなく、キャッシュカードや銀行の公式サイトで確かめます。
- 補償は、個人と法人で考え方が違います。個人は全銀協の申し合わせで「過失がなければ原則補償」、法人は各銀行の経営判断で個別に検討する、という整理です。
- 守りの基本は3つの設定です。ワンタイムパスワードなどの強い認証、振込限度額を低くすること、ログインや振込の通知をオンにすることです。
02数字で見るネットバンキングの不正送金
警察庁の「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月)によると、令和7年(2025年)中のネットバンキングに係る不正送金は4,747件、被害額は約104億円でした。令和8年上半期(1〜6月)は253件、約20億7,000万円で、前年の同じ時期より51%減っています。
ただし、中身は変わってきています。同じ資料の統計では、令和8年上半期の被害額のうち法人が約17.4億円、個人が約3.2億円です。令和7年は個人が約56.9億円、法人が約47.1億円でした。件数が減る一方で、1件あたりの額が大きい法人の被害が目立っています。
金融庁が2026年6月30日に公表した「預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)」でも、同じ傾向が見えます。銀行などから金融庁へ報告された令和7年度(2025年4月〜2026年3月)のネットバンキングの被害は次のとおりです。
| 区分 | 件数 | 被害額 | 1件あたりの平均 |
|---|---|---|---|
| 個人 | 3,500件 | 約79億円 | 226万円 |
| 法人 | 440件 | 約63億円 | 1,430万円 |
| 合計 | 3,946件 | 約142億円 | 360万円 |
金融庁の表には、遺失や詐欺による被害も含まれると注記があります。警察庁の数字(暦年)とは集計のしかたが違うので、並べて足し引きはしないでください。全体の動きは警察庁の上半期の情勢のニュースでも紹介しています。
03個人の被害はこう起きる:偽サイトでの入力から送金まで
金融庁は、主な手口を次のように説明しています。銀行を名乗るSMSなどのフィッシングで利用者を偽のログインサイトへ誘い、ID、パスワード、ワンタイムパスワードなどを盗み取って、預金を不正に送金するというものです。
- 銀行を名乗るメールやSMSが届く:警察庁は「不正アクセス検知」「取引の停止」など、切迫感をあおってログインさせようとする文面が多いと書いています。
- リンク先の偽サイトでログイン情報を入れてしまう:本物そっくりの画面で、IDとパスワード、続けて確認用のコードを求められます。
- 犯人がその情報を使って本物のネットバンキングに入る:入力したコードがその場で使われるため、ワンタイムパスワードでも防げないことがあります(仕組みは二段階認証が突破される手口の記事で説明しています)。
- 振込先の登録や限度額の変更をされ、送金される:気づくのは、送金の通知や残高を見たときになりがちです。
誘い方はメールだけではありません。警察庁の統計では、フィッシングサイトに誘導された手口別の不正送金は、令和7年にメール2,211件、SMS1,695件、不明402件でした。SMSは前年の553件から大きく増えています。警察庁は、マルウェアに感染したスマートフォンが悪用され、偽サイトに誘導するSMSが大量に送られていることが要因と考えられるとしています。SMSから来る偽サイトの話はスミッシングの用語ページにもあります。
04法人の被害はこう起きる:銀行を名乗る電話(ボイスフィッシング)
銀行から電話でソフトを入れてって言われたけど…
入れないでください。JC3と警察庁は、銀行を名乗る電話で遠隔操作ソフトを入れさせ、送金させる手口を注意喚起しています。電話は切って、銀行の代表番号にかけ直して確かめます。
「ネットバンキング利用の方は■番を」
「PC環境の更新」でメールと携帯番号を
メールのリンクから入れさせる
SMSの偽サイトでID・パスワードを盗み送金
法人で目立つのは、電話から始まる手口です。警察庁の資料によると、令和6年秋から、犯罪グループが企業に電話をかけ、ネットバンキングの更新手続などを名乗ってメールアドレスを聞き出し、フィッシングメールを送る「ボイスフィッシング(ビッシング)」による法人口座の被害が急増しました。
令和8年5月には、さらに新しい手口の被害が急増しています。JC3が2026年6月4日に公開した注意喚起「巧妙化する『ボイスフィッシング』被害に注意」と、警察庁の「サイバー警察局便り R8 Vol.6」は、流れを次のように説明しています。
- 企業の担当者あてに「〇〇銀行です。ネットバンキングを利用している方は■番を押してください」と自動音声の電話がかかる
- 番号を押すと肉声に変わり、「PC環境の更新が必要です。手続きのため、メールアドレスと携帯電話番号を教えてください」と言われる
- 伝えたメールアドレスにメールが、携帯電話にSMSが届く
- メールのリンクを押すと、「セキュリティ強化のためのソフト」と称する遠隔操作ソフトが入り、会社の端末が遠隔操作される
- SMSのリンクから偽サイトに誘導され、ネットバンキングのID・パスワードが盗まれる
- 遠隔操作された端末に「システム更新中」などの偽の画面が出ている間に、盗まれたID・パスワードで不正送金される
警察庁は、会社がふだん使っている端末から送金させることで、銀行の端末認証や不正取引の監視をかわす狙いがあると考えられる、としています。サイバー警察局便りには、電話の発信元が国際電話番号である例も示され、詐欺電話対策として「国際電話着信ブロック」も紹介されています。
なお、社長や取引先になりすましたメールで、社員に自分で振り込ませる詐欺は別の手口です。警察庁の同じ資料は、2026年1〜6月に「ニセ社長詐欺」が127件、被害額約38億8,000万円確認されたとしています。こちらの対処はビジネスメール詐欺の記事を見てください。
05不正送金を疑うサインの確認
- 身に覚えのない振込・送金の通知メールやアプリの通知が届いた:通知が来たら、メールのリンクではなく公式アプリかブックマークから入って明細を見ます。
- 残高が減っている、知らない振込先が登録されている:振込先の登録や、振込限度額の変更の履歴も見ます。
- ログイン通知やパスワード変更の通知に覚えがない:まだお金が動いていなくても、すでに入られている可能性があります。
- いつものID・パスワードでログインできなくなった:犯人にパスワードを変えられていることがあります。
- 銀行を名乗るSMS・メール・電話の案内どおりに入力や操作をした:その後に何も起きていなくても、銀行に連絡する理由になります。
金融庁は、残高や入出金の明細をこまめに確かめ、身に覚えのない取引があれば速やかに金融機関へ照会するよう呼びかけています。ひとつでも当てはまったら、次の節の手順に進んでください。
06気づいたらすぐやること(個人・法人共通)
知らない振込がある!まず何をすればいいの?
まず銀行に電話して、口座とネットバンキングを止めてもらいます。番号はキャッシュカードの裏や公式サイトで確かめてください。そのあと警察に届け出ます。
カードや公式サイトの番号で。口座を止める
最寄りの警察署かオンライン窓口
同じものを使うサービスすべて
メール・SMS・URL・明細を消さない
- 取引している銀行に電話して、口座とネットバンキングを止めてもらう:電話番号は、キャッシュカードの裏面、通帳、銀行の公式サイトで確かめます。メールやSMS、偽サイトに出ていた番号には電話しません。夜間や休日も受け付けている窓口を設けている銀行もあります。
- 警察に届け出る:最寄りの警察署に連絡します。警察庁はフィッシングの被害に遭ったら、最寄りの警察署かサイバー事案のオンライン受付窓口へ通報・相談するよう案内しています。全銀協が示す法人向けの補償の考え方でも、一定期間内に警察へ通報していないことは、補償が減ったりされなかったりしうる例に挙がっています。
- パスワードを変える:ネットバンキングと、同じパスワードを使っているすべてのサービスで変えます。警察庁が偽サイトにIDやパスワードを入れてしまったときの対処として挙げているものです。
- 記録を残す:届いたメールやSMS、偽サイトのURL、入力した日時、電話がかかってきた日時と番号、取引明細を、消さずに画面の写真などで残します。銀行と警察への説明に使います。
- 使った端末を調べる:知らないアプリやソフトが入っていないか確かめ、ウイルス対策ソフトで検査します。遠隔操作ソフトを入れてしまった法人は、そのパソコンでネットバンキングを使い続けず、銀行と警察に相談してください。
大事なのは順番です。先にお金の流れを止め、それから届け出と後片づけをします。迷ったら、まず銀行への電話です。
07銀行に電話するときに伝えることの確認
- 口座の名義、支店名、口座番号(わかる範囲で)
- 身に覚えのない取引の日時・金額・振込先(明細や通知メールの内容)
- いつ、どこで、何を入力したか(偽サイトのURL、届いたメールやSMS)
- 電話の手口なら、かかってきた日時・番号・名乗った名前、教えてしまった情報
- 遠隔操作ソフトなどを入れたかどうか
- 警察に届け出たか(これからか)
ドコモSMTBネット銀行のように、連絡を受けると口座の利用やサービスを止める、と案内している銀行もあります。止めてもらった後の手続き(補償の申請書類など)は銀行ごとに違うので、電話でそのまま確かめてください。
08被害を広げないために、してはいけないこと
- 届いたメールやSMSに返信したり、書かれた番号に電話したりしない:問い合わせ先は、自分で調べた銀行の公式の番号だけにします。
- 「取り戻せます」「調査します」という連絡にお金や情報を渡さない:相手が銀行や警察を名乗っても、お金の請求や、ID・パスワードの問い合わせには応じません。自分から公式の番号にかけ直して確かめます。
- 証拠を消さない:腹が立って偽メールやSMSを消したくなりますが、銀行と警察への説明に使うので、残しておきます。
- 同じ端末で、確かめないままネットバンキングを使い続けない:不正なアプリや遠隔操作ソフトが残っていると、また入られるおそれがあります。
- 「少額だから」と連絡を後回しにしない:補償の対象になる期間には期限を設けている銀行があります。
09補償の考え方:個人の場合
取られたお金って、銀行が返してくれるの?
個人なら、全銀協の申し合わせで、本人に過失がなければ原則補償とされています。ただ、偽サイトへの入力の経緯や連絡の遅れで、減ったり補償されなかったりすることもあります。
ネットバンキングの不正送金の補償は、法律で一律に決まっているわけではありません。全銀協の申し合わせを踏まえて、各銀行が規定で定めています。
全銀協は2008年2月19日の申し合わせ「預金等の不正な払戻しへの対応について」で、個人のネットバンキングについて、銀行に過失がない場合でも、お客さまに過失がないときは「原則補償」、お客さまに過失がある・重過失がある場合は「個別対応」とする方針を示しました(全銀協が2016年6月14日の公表文で改めて説明しています)。
ここでよく混同されるのが「預金者保護法」です。正式な名前は「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」で、名前のとおり偽造・盗難キャッシュカードによる払戻しを対象にした法律です。全銀協は、この法律の対象が個人であることなどを踏まえて、ネットバンキングについては申し合わせで補償の考え方を示してきた、と説明しています。
この「個別対応」で補償が減ったり、されなかったりしうる例として、全銀協は会員銀行への調査をもとに次のようなケースを挙げています。
- 銀行が何度も個別・具体的に注意を呼びかけていたのに、その手口にだまされてID・パスワード等を入力した
- 警察や銀行などを名乗る者に、安易にID・パスワード等を答えた、乱数表を渡した、正当な理由なく他人に教えた
- ID・パスワード等を手帳にメモしたり、携帯電話などに保存したりしていて、不注意で盗まれた
- 身に覚えのない残高の変動に気づいていたのに、銀行への通報を怠っていた間に犯行が行われた
補償の対象になる期間にも決まりがあります。たとえばドコモSMTBネット銀行は、預金者保護法と全銀協の申し合わせに準じて、原則として銀行へ通知した日の30日前の日以降の払戻しの額を補償すると案内しています。条件は銀行ごとに違いますが、どの銀行でも「早く知らせる」ほど不利になりにくい、と考えておいてください。
金融庁の統計では、令和7年度に被害が起きた分のうち、処理方針が決まった3,649件で「補償する」が1,184件(32.4%)、「補償しない」が2,465件(67.6%)でした。統計の対象期間全体では補償率74.9%で、配偶者や親族による払戻しと判明したものなどを除くと82.2%です。補償されるかどうかは、事案ごとの判断です。
10補償の考え方:法人の場合
過失がなければ原則補償。過失・重過失は個別対応
各銀行の経営判断で個別に検討。対策の実施が前提
法人は扱いが違います。全銀協は2014年7月17日の申し合わせ「法人向けインターネット・バンキングにおける預金等の不正な払戻しに関する補償の考え方について」で、法人の被害の補償を各銀行の「個別行の経営判断」として検討すると整理しました。理由として、預金者保護法の対象が個人であることなどから、法人のセキュリティ対策への対応力は個人より相対的に高いと考えられる、と書いています。
補償を検討するときに考慮する点として、全銀協は次の2つを挙げています。
- 法人が、銀行が導入している対策の実施や、OS・ブラウザの更新、サポートの切れたソフトの使用中止、セキュリティ対策ソフトの導入、パスワードの定期的な変更などを自ら行っていること
- 法人の属性やセキュリティ対策への対応力などに応じて、補償の対象先や上限などを個別に決めること
補償が減ったり、されなかったりしうるケースとしては、次のような例が示されています。
- 上の対策が行われていない
- 身に覚えのない残高の変動や不正取引があったのに、一定期間内に銀行へ通報していない
- 不正取引があったのに、一定期間内に警察へ通報していない、銀行の調査や警察の捜査に協力していない
- 正当な理由なく他人にID・パスワード等を答えた、トークン等を安易に渡した
- 銀行が注意を呼びかけている方法で、メールのフィッシングにだまされてID・パスワード等を入力した
- 会社関係者の犯行だとわかった
実際の補償の上限や条件は、銀行ごとの規定で決まっています。法人の担当者は、平時のうちに取引銀行の「法人向けネットバンキングの補償」の規定を読んでおき、求められている対策を満たしているか確かめておくと安心です。
11不正送金を防ぐための設定と対策(個人)
- ワンタイムパスワードなど、銀行が用意している強い認証を使う:金融庁は、金融機関が推奨する多要素認証を利用するよう呼びかけています。パスキーなど「フィッシングに耐性のある多要素認証」が選べる銀行なら、そちらを選びます。金融庁は2026年4月、銀行・証券会社や警察庁と連携して、この認証の利用を呼びかける広報を始めています。
- 振込限度額を必要な範囲でできるだけ低くする:全銀協は、万が一ウイルスに感染した場合でも被害を最小限に抑えられるよう、限度額を低く設定することを挙げています。
- ログイン・振込・パスワード変更の通知をオンにする:金融庁は、利用状況を知らせる機能を有効にし、身に覚えのない取引は速やかに金融機関に照会するよう案内しています。
- ログインは公式アプリかブックマークから:メールやSMSのリンクからは入りません。警察庁は、金融機関がID・パスワード等をメールやSMSで問い合わせることはないとしています。
- パスワードは使い回さず、メモや写真で保存しない:全銀協は、ID・パスワード等をパソコンやスマートフォン、クラウドにファイルや画像で保存しないよう求めています。
- OS・ブラウザ・アプリを最新に、セキュリティ対策ソフトを入れる:銀行が無償で提供しているソフトがあれば導入を検討します。
- 共用のパソコンや公衆Wi-Fiでは使わない:全銀協が避けるよう挙げている使い方です。
設定の名前や場所は銀行やアプリによって違い、変わることもあります。わからないときは、銀行の公式サイトのヘルプか窓口で確かめてください。
12不正送金を防ぐための設定と対策(法人)
- 銀行からの電話は、いったん切って折り返す:JC3と警察庁は、銀行から電話があったら営業店や代表電話に折り返し、本物か確かめるよう呼びかけています。
- 心当たりのないソフトは絶対に入れない:JC3は、操作中に心当たりのないソフトのインストールを求められても、絶対にインストールしないよう呼びかけています。
- メール・SMSのリンクからは操作しない:銀行を名乗るメールやSMSのリンクにはアクセスしないことを社内の決まりにします。
- 申請する人と承認する人で別のパソコンを使う:全銀協が法人に勧めている対策です。1台が乗っ取られても送金まで進みにくくなります。
- 振込・払戻しの限度額を必要な範囲で低くし、事前に登録した先以外への当日送金をしない:全銀協が銀行・法人の対策として挙げているものです。
- 電子証明書はICカードなど別の媒体に入れる:取引に使うパソコンとは別の媒体に格納する方式が、全銀協の対策例にあります。
- ネットバンキング用のパソコンの用途を絞る:全銀協は、インターネットにつなぐ用途をネットバンキングに限ること、使わないときはパソコンやルーターの電源を切ることも勧めています。
- ログイン履歴・取引履歴・通知メールを定期的に見る:覚えのない記録がないか、担当者以外の人も確かめる仕組みにします。
社内の決まりとしては、たとえば次のように紙1枚にまとめておくと、電話を受けた人が迷わずに済みます。
- 銀行を名乗る電話で、メールアドレス・携帯電話番号・ID・パスワードを聞かれても答えない
- 「いったん切って、こちらからかけ直します」と伝え、通帳や公式サイトにある番号にかけ直す
- ソフトのインストールや、画面の操作の案内には従わない
- 迷ったら、ネットバンキングの担当者と上長に必ず相談してから動く
- おかしいと気づいたら、すぐ取引銀行に電話して止めてもらう
経理や総務に電話の手口を共有しておくことが、いちばん効く対策です。社員向けの訓練はメールセキュリティ・訓練のサービスでも探せます。
13困ったときの相談先
- 取引している銀行の不正利用・盗難の窓口:最初の連絡先です。キャッシュカード、通帳、公式サイトで番号を確かめます。
- 警察:最寄りの警察署、または警察庁の「サイバー事案に関する通報等のオンライン受付窓口」。警察相談専用電話は「#9110」です。
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)、平日10時〜17時。
- 全国銀行協会相談室:0570-017109(IP電話からは03-5252-3772)、平日9時〜17時。全銀協のサイトには、各地の銀行協会の「銀行とりひき相談所」も案内されています。
- 自分で振り込んでしまった場合(詐欺):全銀協は、振り込め詐欺等の被害では、振り込んだ先の口座がある銀行に連絡し、必ず警察にも届け出るよう案内しています。各銀行の連絡先の一覧が全銀協のサイトにあります。
場面別の動き方は被害にあったら(場面別)、詐欺への備え全般は詐欺メール・迷惑電話の悩みのページにもまとめています。
14よくある質問
Q不正送金されたお金は戻ってきますか?
銀行の補償で戻る場合があります。個人は、全銀協の申し合わせで、本人に過失がなければ原則補償とされています。ただし過失の程度や通知の時期によって、減額や補償されないこともあります。法人は銀行ごとの判断です。まずは銀行にすぐ連絡し、警察にも届け出てください。
Qワンタイムパスワードを使っていたのに、なぜ送金されたのですか?
偽サイトにワンタイムパスワードまで入力すると、犯人がその場で本物のサイトに使うことができるからです。金融庁・警察庁などの広報資料も、メールやSMSで届くワンタイムパスワードはリアルタイムフィッシングに弱いとしています。銀行がパスキーなどを用意していれば、そちらに切り替えてください。
Q偽サイトに入力しただけで、まだお金は動いていません
すぐに銀行に連絡して状況を伝え、ネットバンキングのパスワードを変えてください。必要なら利用を止めてもらいます。入力した情報を使った送金は時間をおかずに行われることがあるので、「まだ大丈夫」と様子を見ないでください。
Q銀行を名乗る電話でメールアドレスを教えてしまいました
その後に届くメールやSMSのリンクは開かず、ソフトも入れないでください。銀行の代表電話や取引している支店に自分からかけ直し、本当に銀行からの連絡だったかを確かめます。すでにリンクを開いたりソフトを入れたりしていたら、そのパソコンでのネットバンキングの利用をやめ、銀行と警察に相談してください。
Qスマートフォンのアプリでしか使っていなくても狙われますか?
狙われます。偽サイトでID・パスワードを入れてしまえば、ふだんアプリで使っているかどうかは関係ありません。警察庁は、マルウェアに感染したスマートフォンが、偽サイトに誘導するSMSの大量送信に悪用されているとみています。アプリは公式のアプリストアからだけ入れ、OSとアプリを最新にしてください。
Q警察に届け出ないと、補償されないのですか?
銀行の規定によります。全銀協が示した法人向けの考え方では、一定期間内に警察へ通報していないこと、警察の捜査に協力していないことが、補償が減ったりされなかったりしうる例に挙がっています。個人も、補償の手続きで届け出の状況を聞かれることがあります。銀行への連絡の後、早めに警察へ届け出てください。
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出典(一次資料)14件被害を受けた組織や公的機関の発表だけを出典にしています(2026.10.31に確認)開く
- 1警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月) ↗www.npa.go.jp
- 2警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」統計データ ↗www.npa.go.jp
- 3
- 4警察庁「フィッシング対策」 ↗www.npa.go.jp
- 5警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」 ↗www.npa.go.jp
- 6金融庁「預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)について」(2026年6月30日) ↗www.fsa.go.jp
- 7
- 8
- 9全国銀行協会「法人向けインターネット・バンキングにおける預金等の不正な払戻しに関する補償の考え方について」(2014年7月17日) ↗www.zenginkyo.or.jp
- 10全国銀行協会「インターネット・バンキングにおける預金等の不正な払戻しについて」(2016年6月14日) ↗www.zenginkyo.or.jp
- 11全国銀行協会「補償減額または補償せずの取扱いとなりうる事例について」(2016年6月14日 別紙2) ↗www.zenginkyo.or.jp
- 12全国銀行協会「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」 ↗www.zenginkyo.or.jp
- 13
- 14ドコモSMTBネット銀行「インターネットバンキングによる預金等の不正な払戻し(個人のお客さま)」 ↗www.netbk.co.jp

